くじら「自分が何者なのかを考え続けた高校時代。進路に悩み、高校3年は狂うほど勉強した」

くじら, 生活を愛せるようになるまで

進路に悩み続け、
狂うほど勉強した大学受験

くじらさんはどんな高校生でしたか?

くじら 中高一貫の学校で、友だちは多い方ではなかったんですが、数少ない友だちと仲良くやっていました。行事は盛り上がる人たちを後ろでサポートするような、陰で動くのが好きなタイプで、文化祭はすごく楽しかったですね。クラスの中の立ち位置は、「変な人」(笑)。「変だね」と言われながらもこのキャラクターを貫いていたら、色々なことを許されるようになりました。

無敵ですね。

くじら すごく自由な高校生活でしたね(笑)。担任の先生にも恵まれていて、現代文の先生なのに、世界史の先生よりも世界史の話が面白い、すごく変な先生だったんです。今でも仲がいいんですが、僕の生き方も頭ごなしに否定することなく、全部受け止めてくれました。友だちや先生には恵まれていたと思います。

部活は何か入っていましたか?

くじら 剣道部、軽音楽部、競技かるた部でした。

3つも、ですか!?

くじら 剣道部をやめて、軽音楽部に入ったんですが、途中で一緒のバンドのメンバーが「競技かるた部を作る」と言うので、僕も入ることになりました。そこでどハマりして、その後3年か4年ほどガチでやりました。大会にも出ましたし、本当に『ちはやふる』の世界でした。

作曲は何がきっかけで始められたんですか?

くじら 中学生の頃、軽音部でコンテストに出ることになって、顧問に「オリジナル曲を作らないといけない」言われたことがきっかけです。ベースボーカルを担当していて、楽器を始めてまだ1年ほどだったのでできるわけないと思っていたんですが、調べながら作ってみると面白くなって…夏休みにも自分で作ったりしていました。

全部ハマり方がすごいですね。

くじら もともと何かを作ることは好きで、料理でも何でも、組み立てていくのは好きだったので、ボーカロイドにもハマってしまいました。軽音部では学内の文化祭にも出ましたし、外でもたくさんライブしました。楽しかったなあ…。

めちゃくちゃモテたんじゃないですか?

くじら モテなかったですね…モテたいという気持ちはあったんですけどね(笑)。でも学校の中で一番ベースが上手いという自信はあったので、ライブは楽しくやっていました。ここだけ見ると、すごい青春してますよね(笑)

プロデュースがとても上手なくじらさんが、高校時代に何か自己プロデュースされていたことはありますか?

くじら 高校生にこんなこと言うのは良くないかもしれないけど…面白くないと思う授業は先生側の怠慢だと思って、寝るか飛ばすと決めていました。でも現代文や日本史など面白くて聞きたい授業もあるので、座席は絶対に一番前にしてもらっていました。つまらない授業は教科書も全部しまって、寝てましたね(笑)

大学受験の時のことを教えていただけますか?

くじら 大学受験は、人間やめる勢いで狂ったように勉強しました。もし音楽活動で上手くいかなかった時に就職するとなった時のことも考えて、進学することは元々決めていたんですが、マルーン5の『Sugar』のMVを観た時に、いろんな人たちの結婚式にサプライズで回ってみんなが喜ぶところを映像に使っていて、こういう海外の文化ってすごくいいなと思って、大学で留学してみたいと思ったんです。そこで初めて勉強の目標ができて、高校3年の時は本当に勉強しました。

高校生の時に先の未来をかなり想像されていたんですね。

くじら 大学生は楽しそうなイメージがあるけど、その先40年間の“就職”というのはあまり楽しそうに思えなくて。就職せずに自分らしく仕事してごはんが食べられるようにするために、どうにかしなきゃいけないという気持ちが強くあったんです。不労所得の株などの勉強もひと通りしたんですが、僕には違うなと思って、「自分はこういうことをしています」と人に自信を持って言えるように、「自分は何者なんだろう」ということをずっと模索しながら進んできました。



▶「作品を世に出すことを優先して、なるべく人格は消してきた」