TOMOO|「高校時代は沈殿している感情を音楽や演劇で表現していた」

Spotifyの2023年に躍進を期待する次世代アーティスト「RADAR:Early Noise 2023」に選出され、注目を集めているシンガーソングライターのTOMOOが4月にデジタルシングル『夢はさめても』リリース。6月には東京、大阪でのホールツアーも決定しているTOMOOさんの魅力に迫ります!

演劇と音楽に明け暮れた
高校時代

高校生時代はどんな高校生でしたか?

TOMOO 中高一貫の女子校で演劇部に入っていました。毎年、大きなホールで学祭のようなものがあって、そこに向けて朝やお昼休みとか放課後も練習して、部活のことを考えている時間が多めの高校生でした。中学生の頃から曲を作り出して、沈殿している感情みたいなものを音楽で吐き出すこともあれば演劇を通して爆発させるみたいな、当時から表でぱっと出せないものを別の場所で表現するような高校時代だったと思います。

どうして軽音部ではなく、演劇部に入ろうと思われたのですか?

TOMOO そもそも中学に軽音部がなかったんです。音楽系の部活は合唱部とミュージカル部ぐらいしかなくて、吹奏楽もなかったんですよ。入る部活を決めたのは曲を作り始める前で、自分の好きなものとかいまいちわからない状態のまま4月の文化祭で演劇部の舞台観に行った時に、“何だ! この力強さは!” と感情表現の激しさに圧倒されて演劇部に入りました。

心に残っている高校時代のエピソードがあれば教えてください。

TOMOO (校則が) すごく厳しい学校で、帰り道も先生が見張っていて友だちと寄り道できない感じだったんです。高校時代は、音楽活動の第一歩を踏み出したコンテストと演劇に明け暮れていました。

音楽の道に進むきっかけはTOMOOさんの歌詞を読んだお友だちの一言だったそうですが、具体的に何か行動されたんでしょうか?

TOMOO 友だちから「もう、音楽目指しなよ」と後押しされた1年後ぐらいに、学校のお昼休みに教室で出し物ができる企画ができたんです。中学生でも、高校生でも応募すれば参加できて、漫才をする人とか、声楽をやっている人はアカペラで歌ったりとか、バイオリンを演奏する人がいたりして。それで、私も先生に申請して自分の曲を2、3曲演奏したのが音楽の道への最初の一歩となりました。

そして、音楽コンテストにも応募されたんですね。

TOMOO そうですね。高校2年の時にそのコンテストに応募して、下調べした時に結構尻込みもしたんですが、受験前で最後のチャンスだと思って意を決して応募しました。

親御さんにご相談はされましたか?

TOMOO 私が曲を作っていることを両親は把握していて、私がコンテストを調べている割には何も行動に移していないのを気にしていたみたいで、「高2がもうラストなんじゃない?」と後押しされました。

ストレートに言えず遠回り
性格が歌詞に影響している

4月にリリースされたデジタルシングル『夢はさめても』を作られたのは18歳の時ということですが、ものすごい恋愛ソングだと思います。当時どのような思いで曲を作られましたか?

TOMOO 18歳の時に全部曲が出来上がっていたわけではないんですが、サビの「抱き合えるならば 骨まで抱きしめて」という鼻歌が浮かんだその時期はハッピーでルンルンしていた時でした。

好きな人がいたんですか?

TOMOO 当時は悩みもあったと思うんですけど、それでも素直にハッピーでした。でも、これは浅瀬でチャプチャプしている感じだなとなぜか思っちゃったんです。(恋愛の) 最初の一番ふわふわしている時って、相手は自分のことをまだそこまで知らないけどきっと良く見てくれているだろうし、自分も相手のことを想像の中でだけ見ていて。そういうことを考えて、恋って楽しいけど、その先を逆に考えちゃったみたいな感じで浮かんだフレーズでした。

イントロのピアノが印象的で少し恐ろしい感じが…。

TOMOO 「恐ろしい」って感想が一番ストレートで良かった(笑)

その後はポップな曲調に変わりますが、なぜこのような旋律にされたんですか?

TOMOO 嵐の後の晴れとか、悪夢の後の優しい朝の光とか、カオスの後の心の安心とか素直さみたいなコントラストを脅かすためというよりは、自然な心の流れとしてそれが必要だったんですよね。そこを通ってこそ本当に心から明るいと思える気がするみたいな。そういう無意識の願いもちょっと含まれたのかもしれないです。

すごく必要なフレーズだったんですね。

TOMOO  そうですね、はい。

MVでのTOMOOさんのダンスがすごく魅力的でした。ダンスの経験はありますか?

TOMOO ダンスの経験はないので、憧れが強いです。周りのダンサーさんが躍動してくださっているから画になっているだけで、私はほとんど何もやってないんですよ (笑)。でも、すごく楽しかったです。

この楽曲はドラマ「ソロ活女子のススメ3」のオープニングテーマ曲でもあります。「ソロ活」というとカッコいい響きがありますが、私たちは学校生活などの集団生活の中ひとりでいることは周りの目を気にして、浮いていると思われたくなくて友だちといる時間を増やしてしまいます。TOMOOさんご自身は、学生時代はひとりで過ごされることはありましたか?

TOMOO どちらかというとひとりが多かったかもしれないです。ただ、休み時間は部活の練習があったので、10人くらいでお昼ご飯を食べていました。いつも一緒にいる友だちも1、2人はいたんですが、下校して誰かと遊ぶわけでもなく家にひとりでいることも結構多かったです。

ひとりの時間の良さは何だと思われますか?

TOMOO ひとりでいる時間は単純に落ち着くということもあるんですけど、本当は人と喋ることが得意ではないので、 チャージするというか休む時間でもあると同時に誰かとの関係を見直す時間でもあったりするのかなと思っています。

『Ginger』や『夢はさめても』など、TOMOOさんの曲は歌詞の流れが物語のようで、ロマンティックな言葉選びがすごく特徴的だなと感じました。TOMOOさんらしい語感はどこからきているんですか?

TOMOO 根源的な話になってしまうんですが、直接的に言うのが恥ずかしいというか臆病だったりして、何かに例えがちでそのまま言うよりは遠回りしてしまうんです。性格がそのまま歌詞にも影響していて、猫の物語 (『Ginger』)も例えがちな癖が歌詞にそのまま出ています。

普段から気になった言葉はストックされていますか?

TOMOO します! 携帯のメモ機能に1ページ5文字とかのメモがどんどん溜まっています。昔は勉強のノートの端っことかに書いていました。

その言葉はどこから探すんですか?

TOMOO 昔は教科書に載っている文章や詩の中で、心の琴線に触れた響きとか、そこからさらに連想して頭の中に浮かんだ映像イメージを言語化したものとかをメモしていました。

シンガーソングライターとして活動を続ける上で、大切にしていることは何ですか?

TOMOO 自分が美味しいと思うものを提供したいと思っています。頭で考えて構築して、切って貼って作った曲は形が上手くできたとしても飲みこめない感じがするんです。空気の冷たさとか湿度とか、感覚を刺激するところと感情がリンクして内から出てきた言葉は素材のような気がしていて、感覚が混じっているものだと食べられる、これで届けられると自信を持てるところがあります。ちょっと感覚的なんですけど。

「TOMOO LIVE TOUR2023 “Walk on the Keys”」が、6月に大阪、東京で開催されます。今回、新しく挑戦されたいことはありますか?

TOMOO 今回の公演でできるかはわからないんですけど、サウンド作りに参加していただいたホーンの皆さんとゆったりした場面で一緒に演奏できたらいいなとちょっと思ったりしています。ホールなので生楽器をちゃんと活かせたらなと思っています。

Instagramに投稿されているTOMOOさんの衣装がすごく個性的で可愛いいです。6月のライブの衣装もすごく楽しみです!

TOMOO 東京、大阪の2公演が繋がっているというか対になっているようなイメージで衣装にも意味を込められたらと思っています。

大阪と東京公演の両方行くとより楽しめますね。

TOMOO はい。そういう方にも楽しんでもらえるようにしたいと思っています。

今月の特集テーマ
「留学」

行ってみたい海外の国を教えてください!

TOMOO

海外にはほぼ行ったことがないんですが、台湾に行きたいです。日本とは近いようだけど全然違うので気になっています。あとは、イギリスにも行きたいです。自分が生まれる前に両親がイギリスで生活していた期間があってルーツを知りたいなと。旅のガイドブックに載らないようなちょっと外れたところも見て触れておいた方が身体に残る思い出になりそうなイメージがありますね。

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TOMOOトモオ

MUSIC INFO

new single
『夢はさめても』
※デジタル配信中

<TOMOO LIVE TOUR 2023 “Walk on the Keys”>
6/3(土)  NHK大阪ホール
6/28(水) 東京・NHKホール