東京アイランドで見つける僕たちの冒険の旅 ―大島・利島―


大島に伝わるあんこさん文化について、「伊豆大島アンコ文化保存会」の 清水勝子さんにお話を伺いました!

“あんこさん”って?


もともとは目上の女性に対する敬称で、“お姉さん”を表す「姉っ子」「姉こ」が訛ったものとされています。絣(かすり)の着物に前垂れ、頭に手ぬぐいを被った姿が特徴です。
火山島のため湧水に恵まれない大島では、水汲みは女性のもっとも大切な仕事でした。女性たちは重い水桶を頭の上に乗せて運びました。大島では酪農も盛ん だったため、牛の資料にする藁や野草を刈ったり、椿の実拾いをしたり、船便による物資の積み下ろしをしたり。男性たちが廻船の仕事や漁業に従事して江戸まで運搬などする一方で、島の中の仕事は主に女性たちの役割でした。島の女性たちは朝から晩まで毎日忙しく働いたようです。
つまり、あんこさんの衣装は、労働着。ですが、島の女性たちはそんな中でもおしゃれを楽しみ、ファッションの流行を作ったりもしたそうです。昭和の時代になると、 たくましく朗らかなあんこさんたちは観光客からも人気を呼び、絵葉書やブロマイドにもなってアイドルのように注目を集めるようになりました。

あんこさんは 元祖アイドル!?
こちらは昭和10年のサイン入りブロマイド!椿油を塗った美しい黒髪のあんこさんたちに、みんなが憧れていたようです。

あんこさん衣装を体験!

あんこさんのスタイルに帯はありません。着物に前垂れを着け、着物の汚れや摩耗から防ぎます。裏表がリバーシブルになっていたり、前垂れもいろいろ。


頭には手ぬぐいを被ります。代表的な手ぬぐいの柄は、大島の特産品である「椿」。


清水さんが被る 「ソーメン絞り」の手ぬぐいは、祝い事の 時に着用される晴れ 着だったそうです。


こちらは男性たちが「大漁」の時に着ていたという華やかな衣装。


協力:伊豆大島アンコ文化保存会


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