漫才コンビ・ビッキーズとして活動後、2007年に吉本新喜劇に入団し、2014年には座長に就任。今年3月1日に65周年を迎えた吉本新喜劇を支える座長のおひとりであるすっちーさんに長年愛され続ける新喜劇の魅力と裏側についてお聞きしました!
攻めの姿勢でいたい
吉本新喜劇65周年おめでとうございます。新喜劇はお馴染みのギャグやくだりが、いつ見ても面白くてホッとします。65周年を迎えられて、今のお気持ちをお聞かせください。
すっちー 僕は新喜劇に入って17年くらいですが、吉本新喜劇は65年も歴史のある団体だなとすごく感じます。皆さんに「お決まりのくだりやネタがわかっていても笑ってしまう」「新喜劇は、ベタやマンネリの美学」と言っていただくことが多いんですけど、ただ、毎週同じくだりがずーっと続いていたら飽きるし嫌でしょ? だから、お決まりを入れつつも、毎週新しいことを取り入れて常に飽きられないように意識して舞台を作っています。65周年だからと守りに入るのではなく、攻めの姿勢でいたいんです。
17年前、漫才師から新喜劇に移ろうと思われたきっかけを教えてください。
すっちー 元々は漫才師に憧れてこの世界に入ったのよ。漫才師って舞台上にサンパチマイク1本でセットもなくて、武器なしで喋りだけで戦うのはすごく高レベルなことやと思っていて、漫才で上に登っていくことを目指してたけど限界を感じてしまって。ビッキーズというコンビを組んでた時に、今で言うよしもと漫才劇場のようなbaseよしもとという劇場があって、劇場、新喜劇、落語家の若手でひとつのコメディーを作る「新base喜劇」っていうイベントに皆勤賞くらいの頻度で出ててん。そこで新喜劇的な笑いの取り方やお芝居を学んで、漫才以外の笑いの取り方っておもろい! ってなったのよ。その経験もあって、漫才辞めて次どうしようかと考えた時に新喜劇の存在はだいぶ大きかったかな。
こっちも楽しくなる
新喜劇の舞台装置や背景は毎週新しいものに作り替えているそうですね。新喜劇が作られていくスピード感に圧倒されました。
すっちー 1週間で潰しちゃうもんね。座長って作家さんと一緒に打合せするんやけど、さっきまで(取材日は2月23日)よしもと祇園花月の3月末の新喜劇の打合せをしてた。僕は、NGK(なんばグランド花月)1週と祇園花月の1週の新作を任されてんねんけど、新喜劇に入って一番驚いたのは、舞台の前日に本読み、立稽古、舞台稽古だけで、翌日本番。前日に一回舞台稽古しただけで、大勢の人の前で1週間毎日舞台に立てるのはほんますごい団体やなって思う。以前に舞台を作ってくれてる人たちのお話を聞いたんですけど、花月うどんのセットあるやん? あれも今まで一度も同じうどん屋さんのセットはないんですって。いろんなスタッフが、その中で毎週毎週ベストを尽くしてくれてるので、そりゃ演者もベスト尽くさなあかんし、座長はそれをまとめなあかんし、台本を作る時もベストで臨まなあかんなと思う。なんぼペースが早くても、そこに65年という歴史もあるので、「おもんなっ」って思われへんようにするために早いペースの中でもなんとか必死に作っています。
台本作りからリハーサルまでどのような流れか教えてください。
すっちー 僕と(酒井)藍ちゃん、吉田(裕)、アキさんとそれぞれの座長でやり方やペースは違うと思うけど、例えば2月27日に初日があるとすると、キャストは1ヶ月前に決めなあかん。台本は最低でもキャストを決める2週間ぐらい前から大体の話の流れとか作ってます。そうこうしているうちに、また次の舞台について考え始めないといけない時期が次々と来るわけ。だから中間テストのことをやってる時に期末テストのこと考えるみたいな感じがずっと。普通、テストが終わったら、「はぁ」ってなるやん? その「はぁ」があんまりない。
日々追われているすっちーさんのリフレッシュ法はありますか?
すっちー YouTubeを見るとか、車乗ったり、家族と遊んだりとかかな。下の子はまだ小学生やから遊園地に行くと一緒に乗り物にめっちゃ乗らされて、ほんまにしんどなる(笑)。でも精神的にはすごいスカッと晴れた状態で次の仕事に臨めるから、「あぁやっぱすごいな」と思って。
座長さんとして、作家さんと台本を作られたり、キャストを決められたり、舞台に立たれたり様々な役目があると思うのですが、すっちーさんがメインに思われるお仕事は何ですか?
すっちー やっぱり目の前にいるお客さんを笑わせることかな。僕はポジション的にボケの役やから一番は笑かすこと。
やはりそこが一番のやりがいでしょうか?
すっちー 笑かすこと以外にも大事なことがあるけど、一番は? って聞かれると笑かすこと。笑かしたいと思ってバーンとウケると嬉しいし、お客さんがめっちゃええ顔してるとこっちも楽しくなる。笑いに囲まれてる職場ってめっちゃいいですよね。
すっちーさんが将来これからも大事にしたい新喜劇のこだわりや、新喜劇がエンタメ界でどのような存在になっていって欲しいのかをお聞きしたいです。
すっちー 新しいものはどんどん作っていって欲しいです。最初にも言ったんですが、吉本新喜劇の舞台の展開がわかっていても笑ってもらえることはありがたいことやねんけど、そこに甘えないでいたいです。僕が何歳まで新喜劇に携わってるかわからんけど、僕らの世代も次の世代も、その次の世代も吉本新喜劇っていう伝統的なものは守りつつも、新しいことにチャレンジしていく姿勢は常に持っていて欲しい。同じことをずっとやってる団体やとは思われたくない。新喜劇とかお笑いって、目の前の舞台を観て何かを一緒に共有して、何かを感じられて、隣の人と一緒に笑えることはすごく大事なことやと思います。吉本新喜劇は65年で古いものかもしれんけど、変えていこうというよりかは良さを知って欲しいし、もっと広めたい。劇場に行くことが、パッと「新喜劇観に行ってくるわ〜」くらいの簡単に行ける場所になって欲しいです。新喜劇ほんまに観てよ! それで、劇場もっと来てよ!(笑)
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— ch FILES関西版 (@ch_kansai) March 20, 2024