涙を拭い、心を描け―
2020年「本屋大賞」3位、2019年TBS「王様のブランチ」BOOK大賞を受賞した青春芸術小説「線は、僕を描く」(砥上裕將著/講談社文庫)が実写映画化。
《白》と《黒》のみで描かれる【水墨画】を《色鮮やかな世界》としてまばゆいほど瑞々しく描く、王道の青春映画を一足先に鑑賞した東海の高校生の感想は?
STORY
大学生の青山霜介はアルバイト先の絵画展設営現場で運命の出会いを果たす。白と黒だけで表現された【水墨画】が霜介の前に色鮮やかに拡がる。深い悲しみに包まれていた霜介の世界が、変わる。巨匠・篠田湖山に声をかけられ【水墨画】を学び始める霜介。【水墨画】は筆先から生み出す「線」のみで描かれる芸術。描くのは「命」。霜介は初めての【水墨画】に戸惑いながらもその世界に魅了されていく―
水墨画との出会いで、止まっていた時間が動き出す。
これは、喪失と再生の物語。
悩める高校生に前に進む勇気をくれる
青春映画の金字塔『ちはやふる』のスタッフが再集結して【かるた】の次に描くのは、【水墨画】。周囲に心を閉ざして生きてきた主人公・霜介が水墨画と出会い、成長していく物語です。高校生にとって、普段なかなか触れることのない水墨画の世界ではありますが、そこにあるのは誰もが共感できる感動。霜介だけでなく、巨匠の湖山先生や、その孫の千瑛などの登場人物のストレートに心情が伝わってくるので、物語に入り込みやすく、鑑賞後は温かい気持ちになると同時に、「自分もなにかに挑戦してみよう」思える作品です!
高校生の心を奪う、水墨画の魅力
なんとなく、難しそうで地味なイメージの水墨画。でも、この作品をみると、そのイメージは一変すること間違いなし!白と黒だけで表現されているのに、色鮮やかで、生き生きとしていて、描く人の内面を映し出す水墨画の魅力にどんどん引き込まれます。特に登場人物たちが作品を描いていくシーンでは、手の動き、筆が紙を滑る音、表情、カメラワーク、全てが水墨画の美しさを引き立てていて、映画であることを忘れてしまいそうなほどの没入感です。なんと横浜流星さんは、撮影のために1年間墨画家のもとで練習を重ねたそう!
Check!
主題歌を担当するのはyama & Vaundy!
主題歌:「くびったけ」yama produced by Vaundy
挿入歌:「Lost」yama
主題歌にyamaを推薦したのは横浜流星さん!主題歌の「くびったけ」はVaundy描き下ろしのエネルギッシュな楽曲をyamaが霜介を応援するような力強く歌い上げています。
-REVIEW-
- 霜介が水墨画を通して自分を見つめ直したように、私にとって、この映画が自分を見つめ直すきっかけになりました!
- 同じ題材で描いても、描く人によって個性が出るのが、水墨画の面白さだと思うので、このお話も他のキャラクター目線でも観てみたいと思いました。
- 冒頭とラストの霜介の表情、様子の対比がとても良かったです。
- 勢い良く、それでいて繊細に線を描いていくシーンはとても迫力があり、かっこよかったです。
- 「できるか、できないかじゃない。やるか、やらないかだよ」という湖山先生のセリフに泣きそうになりました。自分も後悔しないよう、挑戦したいです。
- 細田佳央太さんの演技もすごく良かったです!本気で霜介を心配しているのが伝わってきて、友情を感じました。
- ふと目に止まった風景や周りの人をもっと大切にしようと思わせてくれる映画でした。
- ところどころに入る“無音”のシーンがとても素敵でした。
- 出演:横浜流星
清原果耶 細田佳央太 河合優実
矢島健一 夙川アトム 井上想良 / 富田靖子
江口洋介 / 三浦友和 - 原作:砥上裕將『線は、僕を描く』(講談社文庫)
- 監督:小泉徳宏
- 脚本:片岡翔 小泉徳宏
- 主題歌:「くびったけ」yama produced by Vaundy
- 配給:東宝
©砥上裕將/講談社 ©2022映画「線は、僕を描く」製作委員会
10月21日(金)全国東宝系にて公開