「強い気持ちでいくねん!」とパワーで笑いをとり、M-1決勝戦進出の快挙を成し遂げた “愛と情熱の漫才コンビ” さや香の新山士彦さん、石井誠一さんにchスタッフがインタビューしました。
ダウンタウンのTV番組
お笑いに興味を持ったきっかけは何ですか?
石井 『ダウンタウンのごっつええ感じ』かな。10歳以上離れたふたりの姉の影響で、小学生の頃からずっと観てました。
新山 僕は『ダウンタウンDX』を観て、松本さんが大好きになり、書道の授業で「松本人志」って書いて黒板の上に貼ったりするほど。好き過ぎて、「お前の親は俺や! 松本人志ではない」って父親に言われたことがあります(笑)
高校生の頃からお笑いの道に進もうと思っていましたか?
新山 高校の文化祭で漫才をやったりはしてたんですけど、当時は学校の先生になりたくて教育大学に進学したんです。でも、行きたかった大学じゃなく滑り止めの大学だったんでやる気がなくなってしまい、2年生の時に芸人を始めました。親には「作家になろうと思ってる」って嘘ついてたんですけど、結局バレて。親は、“せっかく大学に行ったのに”、という感じで落ち込んでましたね(笑)
石井 僕はチュートリアルさんに憧れて、学校の保護者会などで漫才をしたりしてました。とりあえず大学受験して、公務員になるための勉強をしてたんですが、いざ就職を決める段階で、“やっぱりお笑いが好きや!”と自分の気持ちを確信したので、大学卒業後にNSCに入りました。
新山さん
石井さん
バランスをとりながらネタ作り
おふたりはどうしてコンビを組むことになったのですか?
石井 NSCの頃は別々のコンビで活動してましたが、新山のコンビが解散してしばらくしてから、当時ボケをやってた僕に、新山が「ツッコミになって組まへん?」と誘ってきたんです。
新山 僕は前のコンビではツッコミやったんですけど、次はボケをやりたくてツッコミを探してて。その時、候補として、石井ともうひとり頭に浮かんだんですけど、その人は違う人とコンビを組んだんで石井にしました。
石井 そんな言い方すな! 余った方みたいな(笑)。でも、ちょうど僕もツッコミをやりたいなと思っていたので、タイミングが良かったんですね。たぶん、(相方は)僕がツッコミ気質なのを見抜いてたんでしょうね。
ところで、お互いが相方さんで良かったと思うところはどこですか?
石井 漫才中もパワーで笑いを取りにいってくれるので、そこは信頼できるポイントですね。ネタのことは完全に任せてます。
新山 そうなんです。そうやって好きなようにさせてくれるところが良いですね。ネタのことで喧嘩になったりするコンビもいるんですけど、うちはそういうのがないんです。基本的に台本は書かないんで、「ずっと嫌がっといて」「ガーッと怒って」とか、大まかなことしか注文はしません。立ち位置の設定だけして、「あとは俺が笑いとるから」って(一同笑)
若い人に共感が得られるようなネタ作りを意識されていますか?
新山 まー、“壁ドン”とか、“インスタ映え”とか、今の“あるある”を入れると、割と簡単にウケるんですけど、そこに寄り過ぎないようにバランスをとりながらネタを作ってます。
新山さんの「強い気持ちでいくねん!」という、一度聞いたら頭から離れないフレーズはどのように生まれたのですか?
新山 あれはアドリブみたいな感じで自然に出てきたんです。事前に考えて作ったものではないというか、自分の中から出た本物の言葉っていうか。
石井 それ、『情熱大陸』のトーンやん!(一同笑)
「初恋の人の名前」というのは嘘!?
ちなみに、「さや香」というコンビ名の由来は?
新山 「僕の初恋の人の名前です」って、言うてたんですけど、それは嘘です(笑)。“初恋の人の名前”って言ってるうちに周りに引かれるようになってきて。出囃子もたまたま恋愛を引きずってる歌なので、「意味深や」と言う人まで出てきたんで、やめました。本当は響きがいいなと思って付けただけで、特に意味はないですね。
“さや香”さんにキャッチコピーを付けるとしたら?
新山 恋愛のネタも多いので、「愛と情熱の漫才」ですね! 僕は、美輪明宏さんや瀬戸内寂聴さんみたいに恋愛相談に乗れるような人にもなりたいんです。
そんな新山さんから、恋に悩む高校生にアドバイスをお願いします。
新山 「気になる人がいるけど、今の関係性を壊したくない」とか言う人がいますけど、アタックしなかったら何も進展しないし、自分の糧にならないと思うんです。「壊せない」っていうことは、まだMAXまで好きになってないんじゃないかな。「関係性を壊してもいい」って思えるほど好きになったら、振られてもいいから告白することが大事ですね。
マドンナ(高3)、ありさ(高3)
新山士彦(にいやま のりひこ)
’91年10月17日生まれ 大阪府東大阪市出身
NSC大阪校34期生
石井誠一(いしい せいいち)
’88年5月28日生まれ 大阪府大阪市出身
NSC大阪校34期生
2014年コンビ結成