現在公開中の『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』は、従来のファンはもちろん、《SAO》シリーズを初めて観る高校生にもおすすめの、キリトとアスナの出会いが描かれたお話。ネットゲームとは無縁に生きる優等生・明日奈が入り込んでしまった、《ソードアート・オンライン》は、ゲーム内での死=現実世界の死を意味するデスゲームの世界だった…。声優の松岡禎丞さん、戸松遥さん、水瀬いのりさんにお話を伺いました。
《SAO》物語すべての始まり
映画めちゃくちゃ面白かったです!今作は『ソードアート・オンライン』(以下SAO)シリーズを観たことのない高校生にもおすすめだなと思いました。まずは皆さんにとっての『SAO』の魅力を聞かせていただけますか?
戸松 今の高校生たちが『SAO』というゲームをどんな風に感じているかがすごく気になります。今はVRも身近だし、ゲームに対して夢のまた夢みたいなところから、“こういうのいつかやってみたい!”というくらい親近感があるんじゃないかなと思っています。
水瀬 夢ではなく、将来自分たちが作ることもあり得るかも、くらいの距離感にゲームがある気がしますよね。今はゲーマーさんの大会もあるくらいだから、学生生活の中にゲームがより組み込まれているような気がします。
松岡 たしかに、《オーディナル・スケール》編(2017年劇場公開)の時に、「ARと言っても実際はまだそれほど来ていないじゃん」と委員会が渋った、という話を原作者の川原礫さんがされていましたが、今は時代が『SAO』に追いついてきていると感じます。
戸松 時代が『SAO』を追いかけてきているみたいですね。
松岡 こんな未来だったらいいなと思いますね。だって僕、「オーグマー」(作中に出てくるAR型情報端末)欲しいですもん(笑)。あれがあったらとても楽だろうなと思いますから。
水瀬 高校生の皆さんなら、自分だったらどんな風にこの世界を生き抜くかなということも考えられる余裕があるような気がしますね。それぐらい身近な世界観になっているんじゃないかな。
攻める?逃げる?
もし皆さんが突然SAOの世界に入り込んでしまったらどうされると思いますか?
松岡 僕は、攻略組には絶対なりたくないです! 死にたくないですから!(笑) はじまりの街で鍛冶師のリズの助手をやりたいです! 僕は刀剣を作る動画を見るのも好きなんです。真っ赤になった鋼を打って伸ばして…という作刀を一度は経験してみたいですね。だからいずれリズベット武具店に面接に行きます。
戸松 リズ推しだもんね。私もはじまりの街から出ないですね! 絶対にいや!(笑) 本当にデスゲームだと、最初のレベル1のモンスターと戦うのも怖くて無理だと思います。今は画面越しのゲームでさえリアルで、VRのホラーゲームもすごくリアルなのに、フルダイブ型でしかもHPがゼロになったら本当にリタイアとなれば、ちょっと傷つけられるだけで“可哀想な私”になっちゃうと思います(笑)
松岡 自分の命がゲージで見えるしね。
戸松 そうですね。 寿命が減るー! ってなりますね。メンタルが耐えられそうにないので、はじまりの街で何か楽しいことを見つけ出して、誰かが攻略をしてくれる日を待ち続けると思います。
水瀬 私もなるべく目立たず街のモブに徹して、“最強な人がいるらしい”という噂を聞きつけたらその人に付いて行くかなという感じですね(笑)。強い人が現れるまでは様子見して、その間にお金を貯めていかにチートできるかを狙いたいと思います!
松岡 現実的…。
水瀬 命かかってますからね! ワンパンで死ぬかもしれないですから、危険な賭けはできません(笑)
何でしたか?
劇中でアスナが学校の成績のことや家族に認められないことに悩んでいる姿も描かれていました。皆さんは高校時代、何に一番悩まれましたか?
松岡 僕は進路で言うと声優になるか自動車の整備士になるかで、高校3年生の進路相談まで悩んでいました。正直声優にはなれるわけがないと思っていて、結果的に両親が期限付きで認めてくれて、背中を押してくれる人がいたのでこの道に進めたのですが。あの時は一番悩みましたね。
水瀬 私は今思うとすごく贅沢な悩みなのですが、高校生の時には徐々に声優としてのお仕事を頂けるようになっていて、これまで当たり前に友だちと遊んでいた週末にイベントや撮影が入ってきて、社会で働くことの重圧を感じていました。お仕事があるのは嬉しいことだけど、友だちの楽しそうな写真が送られてくるたびに、私も行きたかったなと思ったり、友だちと一緒にチケットを取っていたライブも直前で仕事が入ってしまったりして、孤独を感じる時間が多かった気がします。
戸松 私も同じ高校生の頃から仕事を始めていたのですが、部活のような感覚でやっていた気がします。私は家の門限がめちゃくちゃ厳しかったので高校3年生まで部活やお仕事の例外を除いて、友だちと遊ぶ時は6時までに帰っていなきゃいけなかったのです。なのでいかにそれを破れるかを毎日考えていました。自転車のカギが見つからなかったという理由で6時10分に帰って、“10分遅く帰ってやったぜ!”みたいな(笑)
松岡 何やってるんですか(笑)。人生で一番きつかった時とかはないですか? あの時ちょっと切羽詰まって色々しんどかったなという時とか。
戸松 進路を考え出した時にはありました。もともとエスカレーターで大学まで進むつもりだったので、受験する気はなかったのです。でもお仕事を始めて東京の大学に進むことになった時に、なぜ評定平均がこんなに低いんだ…ちゃんと勉強しておけば良かった! と思いました。
松岡 今だからこそというのもありますよね。僕は今、英語を勉強したいです。
水瀬 わかります! あんなに英語の授業があったのに、微塵も活かされてないっていう(笑)
「高校生のお金事情、大公開!」
Q. 高校時代、何にお金を使っていた?
松岡
うちはお小遣いシステムがなくて自分で使うものは自分で稼ぐという感じでしたので、高校生からバイトをしていましたね。バイトは全然苦ではなかったので、高校生になってからは本当に楽しかったです。近所に500円で何時間でも歌い放題というカラオケがあって、そこへ頻繁に行っていました。
戸松
なんであんなに撮る必要があったんだろうというくらいプリクラにお金をかけていました! 毎月1日にお小遣いをもらう制度で、追加前借は絶対禁止だったので、どんな状況でもそのお小遣いで1ヶ月を乗り切るというミッションがありました。高校生の私にとって400円のプリクラは大きな出費だったので、友だちと4人で行けば一人100円になる! などいかにやりくりするかを毎月考えていました(笑)
お小遣いはもらっていたのですが、自分の家のお金が減るっていうのが悲しくてお小遣いを使えなくて。某テーマパークの年間パスポートをゲットすることが小さい頃からの夢だったので、年に一度おじいちゃんおばあちゃんからもらうお年玉を何年も貯めて、年間パスポートと一眼レフのカメラを買った時はすごい喜びでした。
水瀬
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— ch FILES関東版 (@chFILES) October 20, 2021
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- 原作・ストーリー原案:川原礫
- 監督:河野亜矢子
- 主題歌:『往け』LiSA(SACRA MUSIC)
- 声の出演:松岡禎丞(キリト)、戸松遥(アスナ)、水瀬いのり(ミト)、他
- 配給:アニプレックス
- ©2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project
10/30(土)全国公開