2007年9月に吉本新喜劇へ入団し、2017年最年少&初の女性座長として座長に就任した酒井藍さん。吉本新喜劇の座長のお一人として新喜劇を牽引する酒井さんに、65周年を迎えた吉本新喜劇への想いをたっぷりお聞きしました!
吉本新喜劇への愛
今年3月に吉本新喜劇は65周年を迎えられました。おめでとうございます! 座長として今のお気持ちを聞かせてください。
酒井 60周年の時も今回の65周年も座長として過ごさせていただけてありがたいです。私は小さい頃からずっと新喜劇に入りたくて、今新喜劇にいられることがほんまに幸せです。65周年だけじゃなく、70、80…100周年と続いていくように座長の重みを感じながらしっかり頑張っていきたいです。
藍さんといえば明るいイメージがありますが、高校生の頃からですか?
酒井 明るいんかなぁ…。でも、すっごいネガティブです。“これ言わへんかったら良かった”“傷付けたかなぁ”とか気にしいやし小心者です。
当時はどんなキャラクターでしたか?
酒井 イケてる女子たちは文化祭でダンスとかするやん? その子たちの後にお笑い好きの友だちと漫才してました。キャラは今とあんまり変わらんかな。ただ、今よりも大分細かったと思います(笑)
ちなみにその時に披露された漫才のリアクションはいかがでしたか?
酒井 友だちがたくさん観に来てくれたのでウケたし、楽しかったです。一緒に漫才した子とNSCに入りたかったんですけど、その子は服飾デザイナーになる夢があったのでそっちの道に進みました。
人前に立つことには積極的でしたか?
酒井 「学級委員します!」とか人前に立つタイプじゃなかったです。でも、漫才とか好きなことをやる時に人前に立つのは嫌じゃなかったですし、嬉しいと思っていました。
最初に新喜劇に入りたいと思われたのはいつ頃ですか?
酒井 3、4歳ぐらいやったと思います。新喜劇ってなんか面白いな、悲しいことがあっても最後また笑えるな、みたいな。その中に入りたいって思ったのがきっかけです。
お笑いを仕事にしようと思ったのはいつですか?
酒井 高校3年の進路を決める時に、とにかくお笑いの世界に行きたいと思っていたんです。でも、その時は新喜劇のオーディションの募集をしてなくて。新喜劇に入るためにはNSCに入らなあかんやろうと思って、親に入りたいって言ったけど、「ダメ!」って言われたので、卒業後は社会に出て働きました。
2017年7月26日に新喜劇の初の女性座長、そして最年少の30歳で座長に就任されました。その日から今日までどんな7年間でしたか?
酒井 もう7年経ったんやっていう感じです。7年経った今も1ヶ月に2本新作を出していくことは変わってなくて、「良かった。ウケた!」と思う時もあれば、「うわ、どうしよう…」っていう時もあるし、そんな日々を送ってたら本当に一瞬でした。
人情味溢れる新喜劇
ズバリ座⻑さんの⼀番重要なお仕事は何だと思いますか?
酒井 雰囲気作りだと思います。もちろん⾯⽩い新喜劇を作ることは⼤事なことやし、それはちゃんとやらないといけない仕事だと思うんですけど、新喜劇ってひとりでやってるわけじゃないので。若い⼈も中堅の方もベテランさんも、頑張って⼀歩踏み出した時にボケやすい環境を作ったり、“よーし、やるぞ!”ってみんながニコニコ平和な雰囲気を作ったりすることが⼀番⼤事なことかなって思います。やっぱり初⽇はみんな緊張しますし…私が⼀番緊張してるんですけど、私がみんなに声を掛けて仲良くしてたら、お客さんにもそれが伝わるんです。
座⻑さん同⼠で打ち合わせをされることはありますか?
酒井 あります。間寛平師匠がGM(ゼネラルマネージャー)に就任してから、毎⽉⼀回、4座⻑(酒井藍、すっちー、アキ、吉田裕)+GMでの会議があります。
座長さんのお仕事に「配役」がありますが、そのために⽇頃から心掛けていることはありますか?
酒井 みんなとめっちゃ喋るようにしてます。喋ったり、インスタとかXの投稿の発言を⾒たりして、こういう役が合うなとか⼀番似合う役を決めてます。先にお話を作って、その役に⼀番合う⼈を探ってる感じですかね。
座⻑さんはリーダーシップに長けていないと務まらないと思うのですが、リーダーシップの資質はどこで⾝に付いたと思われますか?
酒井 リーダーシップなんて全然ないですよ。付いて来い! ってワントップでオラーッて突き進む頼もしいリーダーもいると思うんですけど、みんなと手を繋いで肩を組んで、困ってる人がいたら面倒を見るのもリーダーかなと思うんです。私はそっちのタイプなんかなって思うので、リーダーの素質はあるのかなって感じます。リーダーというよりも、むしろお客様窓⼝みたいな感じで、何かあったら相談してくださいって感じかな。
個性豊かな座員さんをどうまとめているんですか?
酒井 年齢層も幅広いですしね。だからこそ新喜劇になったらみんなスイッチ⼊るんです。めだか師匠(池乃めだか)が80歳なんですが、80歳のめだか師匠と若いおやどまり君がカラオケに⾏ってたり、みんなでご飯に行ったりしてるのを見るのはすごい微笑ましいです。ほんまに⼤きい家族のようです。
藍さんのモチベーションや息抜きはありますか?
酒井 小1の姪っ⼦と4歳の甥っ⼦ですかね。姪っ⼦甥っ⼦のために働いてるようなもんなので。すっごい可愛いんですが、なかなか会えないので好かれるためにシールやチョコを買ってあげます。「モノ買ってくれるおばちゃんだよ」って刷り込み(笑)。姪っ子と甥っ子が⾛ってる姿を⾒てるのが幸せやったりするので。わがまま聞いてもらった家族なので、家族をお⾦持ちにできるように新喜劇も頑張ろうという想いもモチベーションのひとつですかね。
これからの新喜劇で変えたくないところ、変えたいと思われるところはどこですか?
酒井 変えたくないところは、笑って泣ける、最後泣いてもバカ笑いして終われる人情味溢れる新喜劇はずっとずっと続いて欲しいなと思います。時代とともに舞台で言えなくなる言葉が出てくると思うんですが、根本の部分は変えたくないですね。変えたいところは、新喜劇についてじゃないんですけど、託児所を作りたい! お子さんを持つ座員さんが多くなってきたんです。新喜劇に復帰したいけど、お子さんを預けるところがなくて復帰できないという方もいらっしゃるので託児所がひとつあればお仕事もできるかなと思って。なんかそういう風には変わって欲しいな、変えたいなとは思っています。
将来、吉本新喜劇がお笑いやエンタメの中でどんな存在であって欲しいですか?
酒井 これからも家族で観てもらえて、おじいちゃん・おばあちゃんから小さい子まで一緒の話題で盛り上がれるようなコンテンツでありたいと思います。小さい頃の私のように小さい子が吉本新喜劇を観た時にこの中に入りたいって思ってもらえるような存在でありたいです。
酒井藍さんの
「外国で新喜劇を公演するなら?」
酒井
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— ch FILES関西版 (@ch_kansai) May 23, 2024