アニメ『龍族 -The Blazing Dawn-』山下大輝×本渡楓×村瀬歩が学生に伝える “劣等感との戦い”

山下大輝, 本渡楓, 村瀬歩, 龍族

3人が向き合ってきた
“劣等感”との戦い

主人公のミンフェイは周りと比べて劣等感を抱いてますが、皆さんは劣等感を抱いた経験はありますか?

山下 僕は学生時代、小学生の頃からずっとテニスをやっていました。正直に言うと、自ら進んで選んだというわけではなく、父親がテニスのコーチだったからという理由がほとんどで、楽しいよりも、どちらかと言えば「勝たなきゃいけない」というプレッシャーがすごく大きくて。しかも3つ上の兄が上手だったのでよく比べられて、劣等感は常にありました。

山下大輝, 本渡楓, 村瀬歩, 龍族

村瀬 『巨人の星』と『タッチ』を足した感じですね。

山下 そうそう(笑)。その劣等感の爆弾がバーンと大爆発して、自分の好きなものに熱中しようと思い東京に出てきました。なので学生時代から劣等感とは本当に戦ってきたと思います。ですがその劣等感が時には人を強くしてくれるので、マイナスだけではない重要な要素だなと今は思います。

村瀬 僕は仕事を始めた最初の3、4年くらいは劣等感まみれでした。現場で1個のセリフが十何回もリテイクになって、何もできなくて。養成所の時はみんなができないし、できないことが前提ですけど、現場に出ると何十年も先輩の方もいて、どうして軽々とできるんだろう、どうして自分はできないんだろうと悔しい気持ちの連続でした。現場が終わっても、僕だけ居残りで夜遅くまでやっていたりして。できないうちは楽しくないですし、辛い気持ちが大きかったのですが、徐々に感覚を掴めるようになってきて、その積み重ねの中で、少しずつ人と比べなくなってきたかなと思います。

本渡 劣等感を感じるということは、それに自分が勝負をかけている状態だと思うんです。私は学生時代、コンプレックスや悔しい思いはあっても劣等感まではあまり感じることがなくて。自分に合わなければすぐに他のものに飛びつくということを繰り返していました。ですがお芝居の道を見つけて、最初は劣等感を感じる暇もないぐらい一生懸命になっていたのですが、2、3年経ってお仕事にも少しずつ慣れてきた頃に、自分自身の壁とぶつかりました。

同じことをしているのに、みんなの方が上手いなとか、覚えるのが早いなとか。それは自分の中で初めての経験でした。でも私は“楽しい”という気持ちをエネルギーとして生きてきたので、周りのすごい人たちにも甘えて「それどうやるの!?」と聞いたりしながら、どうにか自分を鼓舞してハッピーになるようにしてきたのかなと思います。

龍族, 山下大輝, 本渡楓, 村瀬歩

進路のことで悩まれることはなかったですか?

山下 僕は楽しいと思っていた部分を突き詰めました。東京に来て、まず音楽の学校へ行って、その後に声優の養成所でお芝居の勉強をして。それまではテニスばかりでほかの選択肢がなかったので、そこからは自分が本当に輝けると思ったものを信じ続けて、そのためにどう行動したらいいだろうと自分で調べて、全力でやるしかないと思って進みました。もうこれしかないと思っていましたし、劣等感の爆発が力になってくれたのかなと思います。

村瀬 僕はもともとは声優志望ではなくて、大学1年生の時は塾の講師と家庭教師のバイトをしていました。結構貯金が貯まったので、就職活動のために、何かアピールに使える変わったことをしたいなと思い、お芝居を観るのが好きだったので習ってみようと思ったんです。ですが、僕は体育の成績が2か3というくらい壊滅的に運動神経がなかったので、きっと身体表現があまり得意ではないんだろうなと思って。

それなら「声が変わっているよね」とか「いい声」と言われることがあったので、声だけのお芝居ならできるかもしれないと思い、養成所に入ってみました。それが面白くて、気づけばその年に事務所に入っていました。その時は“声優になっちゃった”くらいの軽い気持ちだったのですが、お仕事を始めてからの方が大変でした。

山下 そこから、さっきの劣等感につながるんだね。

村瀬 そうなんです。そこまでが上手くいき過ぎて、“これで就活もしなくていいんじゃん” とか思っていたのですが、大学卒業とともに上京して、ボコボコにされて再起不能ぐらいな感じになって(笑)。声優は向いていないのかなとか思いながらぼちぼちやっていたら、救ってくれる人たちがいて、気付いたらこのお仕事だけで食べていけるようになっていました。

本渡 私も小学生の頃、課題学習で消防車に乗ってみたり、いろんな体験ができる場所に行った時に、知らないおばあちゃんに「あんた、化粧映えする顔ね」と言われて、「化粧映え/何」と調べたら、いろんな女優さんの写真が出てきて、“私はこれになればいいんだ!” と思ったんです。そこから、雑誌やドラマの出演に応募するようになりましたが、まったく受からなくて。その後、演劇部に入って演技を始めたら、「本渡さんは小柄だから、立って(台本を)読んでいる時はすごく役に合うんだけど、舞台に立つと動きが小さいよね」と言われて、声優なら身長が高いカッコいい女性もできるかなと思って切り替えました。

山下 人のきっかけって大きいよね。

村瀬 自分の良いところって自分ではわからないから、客観的な評価でもらった言葉が意外とフックになったりするなと思います。



『龍族』が表紙のch FILES(5月20日号)は高校図書館で配布中!

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誌面では山下大輝さん・本渡楓さん・村瀬歩さんの「留学・海外経験」のエピソード・手書きメッセージも掲載!

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『龍族 -The Blazing Dawn-』
  • 作者:江南『龍族』
  • 監督・シリーズ構成:王昕
  • キャラクターデザイン・総作画監督:李時旼
  • 音楽監督:伍 婷
  • アニメーション制作:HANABARA Animation
  • 声の出演:山下大輝、本渡 楓、村瀬 歩、橘 龍丸、小野賢章、大塚剛央、他

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