最近、ブームになってきていると噂の落語。ちょっと気になってはいるけれど、落語って伝統芸能だし、知識がないと楽しめないのでは?そんなふうに思ってた高校生が「大名古屋らくご祭2022 4階ホール落語若手会」を鑑賞してみたら、落語へのイメージがガラッと変わりました!
落語は世界でも珍しい日本独特の話芸で、その名の通り、最後に「オチ(サゲ)」がつくのがその醍醐味。岐阜県にある浄音寺の安楽庵策伝というお坊さんが説法に可笑しい話や人情噺を織り交ぜたことが始まりだといわれています。
公演ではいきなり本題に入らずまずは「枕」と呼ばれる小咄があります。落語家さんはこの「枕」への観客の反応を見ながら演目を決めるので、どんなお話を聴くことができるかは行ってのお楽しみ。
この日の演目は
・林家さく平「牛ほめ」
・春風亭昇也「時そば」
・柳亭小痴楽「松山鏡」
・瀧川鯉八「にきび」
・柳家花緑「文七元結」
でした。
落語には江戸時代から明治時代に作られて語り継がれている古典落語と大正時代以降に作られた新作落語があり、「にきび」は鯉八師匠オリジナルの新作落語、その他は古典落語です。古典落語は名曲のカバーのようなもので、同じお話でも落語家さんそれぞれの個性が出ているので、聴き比べて楽しむことができます。一方、新作落語は時代の流行りを取り入れたり、現代を舞台にしたもの多く、身近なお話として楽しめます。
落語を鑑賞するときに注目してほしいポイントの一つが、落語家さんの表現力の凄さ。落語では、顔の向きや表情、話し方などで、老若男女様々な人物を落語家さんが一人で演じ分けます。さらに、使う道具は箸や筆、キセル、財布、手紙など様々なものに見立てて使うセンスと手ぬぐいのみ。なのに、その場面の情景が思い描くことができ、臨場感を持ってお話に入り込むことができるんです。
そして、生で落語を鑑賞する最大の魅力はライブ感!バンドやアイドルのコンサートのコール&レスポンスみたいにお客さんと掛け合いをしたり、突然のハプニングも笑いに変えたり。その場で物語が完成していく感覚、会場の一体感は一度体験すればハマること間違いなしです。
落語は今回参加した「大名古屋らくご祭」のような「落語会」と呼ばれるイベントホールなどで行われる公演だけでなく、定期公演が行われている「寄席」でも鑑賞することができます。東海地方には名古屋に大須演芸場があり、毎月1日~7日には定期公演が行われています。ぜひみなさんも「落語会」や「寄席」足を運んで、生の落語の魅力を体験してみてください!
次回は2023年12月21(木)〜24日(日)に開催予定です。