市原隼人|高校生のお悩み相談「どうやって下級生をまとめたらいいですか?」

市原隼人

今月の「高校生お悩み相談室」は、
5月24日(金)より公開の映画『おいしい給食 Road to イカメシ』で主演・甘利田幸男を演じる市原隼人さんに回答いただきました。


どうやって
下級生をまとめたらいいですか?

ななみ(高3) 4月から3年生になりました。私の高校では体育祭や合唱コンクールなどの行事は3年生が下級生をまとめなければいけません。指示をすると嫌がられるのでどうしたらいいかわからず不安です。アドバイスをお願いします。

自分に誇りを持って
コツコツ相手と向き合う

市原 市原 最初はできなくて当たり前だと思います。まず自分自身が不安を感じながらも、それだけの責任感を持って真剣に向き合っていることを誇りに思うべきだと思います。最初から100パーセント理解し合えることは難しいですが、1パーセントでも相手の立場に立とうと思う気持ちを持ち、向き合い、相手の良いところを見つけること。人の悪いところばかりを見つけてしまう人がいますが、僕は必ず人の良いところを見つけるようにしています。人は鏡だとよく言われますが、本当にそうだと思います。どんなふうに物事に向き合って、どんな思いで誰に向けて何をしなければならないのかをその都度伝えること。押し付けではなく、意見を提示する。

そして、常に自分のせいにする。周りの環境がダメだから自分がこうなってしまったとか、周りにいい人がいないと言っているうちは絶対に良いことは訪れないと思います。自分から人間関係や環境を作らなきゃいけない。結局人生自分次第。自分が変われば全てが変わり、自分が思っているより、意外と簡単に物事はポジティブに変化していくと思います。

映画『おいしい給食 Road to イカメシ』では、市原さんが演じられている甘利田先生が「食」への想いを身体全体でストレートに表現するのがすごく面白くて、ずっと笑いっぱなしでした。私は中学校の給食が冷たいランチボックスだったので、甘利田先生がすごく羨ましかったです。市原さんにとって、美味しく食べることの大切さを教えてください!

市原 「食」というものは人間と密に関係していて、食べなければ生きていけない。食べるために仕事をしてお金を稼いだりする。それほど生きる上で中心的な位置にあるのが「食」というものだと思っていまして、何を食べるかを常にすごく気にするようにしています。その上でも結果的に一番大事なのは、シンプルに美味しく好きな人と好きなように食べることだと思っています。

給食についてはいかがですか?

市原 子どもの頃は純粋に早く食べる人がカッコいいとか、たくさんおかわりする人がカッコいいと思っていたのですが(笑)、大人になってみると、その土地で生まれたものをその土地の人たちがいただく地産地消で郷土愛を育んだり、その土地の良さだったり、食材や文化、歴史を後世につなげていきたいという思いがあることを知りました。そんな思いを、少しずつ感じながら子どもたちに食していただけたらと願ってます。「食」というものを誰かと共有するもので、給食は人生で初めての会食とも言われているんです。

今作は、ドラマ3シーズンを経て、3作目の映画となりますが、市原さんの中で何か大きく変わったことはありましたか?

市原 第3弾を創る意義を見出さなきゃいけないと常に考えていました。コンセプトは変わらず、お子様が観ても目を背けさせないように、人生のキャリアを積まれた方が観てもしっかりと楽しめるように作られています。1980年代を舞台に、わび・さび、日本の心というものを今一度、思い出していただけるような作品にしたくて、SNSではなく、実際に向かい合って顔を合わせながら物事を進めていく時代にしか見えない人間臭さや人間の隙、そして、ドラマでは描き切れなかったより深い物語性を楽しんでいただける作品になっています。第3弾を撮るにあたって、「甘利田幸男」はどう変化していくべきなんだろう? と考えていた時に行き着いた答えは「変わらないこと」でした。それが、今の令和にこの作品をやる意義だと核心したんです。第1弾から変わらず滑稽な姿を見せて、笑われながらも、「好きなものを好き!」と胸を張って人生を謳歌しようとする勇気を持つ甘利田の背中を見ていただき、人生ってもっと楽しんでいいんだと思っていただけたら幸いです。人生の糧となるようなセリフもたくさん溢れていますので、合わせて感じていただけたら幸いです。

今作は函館が舞台ですね。

市原 今まで僕らの主戦場は摂氏40度を超える夏が舞台だったんです。それが一気に冬が舞台になったということで、また新たな甘利田の面白さを楽しんでいただけます。

函館でのロケはいかがでしたか?

市原 最高でしたね。北海道は土地も食も豊かで、道民性もすごく素晴らしくて日本の宝だと思いました。日本に住んでいながら日本の良さをまだまだ知らなかったと改めて感じるほどでした。

郷土料理でハマったものはありますか?

市原 全部最高でした。 海鮮も鮭が入った石狩汁もすごく美味しいですし、選べない…!

最後に公開を楽しみにしている高校生へ向けて一言メッセージをお願いします。

市原 根底はあくまでコメディですが、人生の糧となるような社会に向けたメッセージが込められています。本当の給食の頂き方、学生という思春期の大事な時期にどう給食と向き合うべきなのかというところも大きなテーマなので、そこも着目していただけたら嬉しいです。

読者プレゼント

映画『おいしい給食 Road to イカメシ』
  • 監督:綾部真弥
  • 企画・脚本:永森裕二
  • 出演:市原隼人、大原優乃、田澤泰粋、栄信、石黒賢、いとうまい子、
    六平直政、高畑淳子、小堺一機
  • 配給:AMGエンタテインメント

© 2024「おいしい給食」製作委員会

5/24(金)より全国公開