もえ(高3)・ねいる(高2)
note株式会社 代表取締役CEO 加藤貞顕
使い方は自由自在。
自己表現のツールとして誰でも気軽に始められる「note」を生み出した
note株式会社の加藤さんにお話をお伺いして来ました!
noteはどんな会社なんですか?
会社の事業内容を教えてください!
メディアプラットフォーム
「note」を運営する会社
「note」というWEBサービスの運営がメインの事業になります。
創作をしたい人がコンテンツを作って簡単に発信できて、ユーザーが自由に見たり買ったりできる仕組みを作っています。
コンテストなどのイベントを行って、クリエイターのデビューの機会を増やしたり、作品の書籍化や映像化のチャンスをつくるお手伝いもしています。昨年映画化された小説『マチネの終わりに』も、もともとnoteで連載していた作品なんです。
このサービスを始めようと
思ったきっかけは?
デジタル時代にクリエイターが
創作を続ける仕組みがなかった
独立する前は出版社で編集者として働いていて、クリエイターの方々と一緒に本を作っていました。
▲加藤さんは『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(岩崎夏海)や『ゼロ』(堀江貴文)などヒット作を手掛けた編集者だったのです!
そのうちに世の中はネット時代へと変わり、電車の中でも、これまでならみんな本や新聞を読んでいたところが、ほぼ全員がスマホを見るようになりました。にもかかわらず、例えばネットでおもしろいものを発信しても対価を得るシステムは確立していなかったんですね。だから結局みんな続けられなくなってしまう。
僕はそんなクリエイターのための街を作りたいと思いました。
加藤さんもクリエイターの投稿は
見ているんですか?
めちゃくちゃ見ています!
僕もnoteで趣味の輪が広がっている
僕に限らず、社員もみんなめちゃくちゃ見ています。
個人的には料理が好きなので、料理家さんのnoteをよくフォローしています。友だちになって、みんなで集まって一緒に一品ずつ料理をしたり。僕以外全員料理家というメンバーで、寿司を握ったこともあります(笑)。そうやって趣味の仲間ができていくのが楽しいんです。
インターネット時代の良いところって、マイナーな趣味であっても、仲間ができることですよね。他にも日常の日記が上手な人が、noteからスターになったりもする。岸田奈美さんという方はnoteで家族のエッセイを書いていたら家族ごと有名になって、ZOZOTOWNを作った前澤さんの目にも留まり、前澤さんの記事を執筆されることになったりね。
出版社を辞めて
独立した時は怖くなかったですか?
同じことを繰り返すより
新しいことに挑戦する方がおもしろい
もちろん出版社にいると給料面では保障されているよね。でも、辞めることは怖くはなかったですね。本はもうたくさん作ってきたし、同じことを繰り返すより新しいことをやってみたいという気持ちがありました。僕はコンピューターが得意で、それでいて本も好きだし編集する側も経験してきた。そのふたつを結びつけたものが、世の中に足りていないということなら、やらないとなと思いました。
でも念のために、この計画が上手くいかなかった場合の最悪のケースも考えました。その時はキッチンカーを使ったお弁当屋さんになろうと思って。車がいくらで買えるかも調べて、原価と一食をいくらにするかまで計算して、「よし、いけるな」と。
いつも何かを始める時は、最高のケースと最悪のケースを考えます。
ちなみに、最高のケースは
どんなイメージなんですか?
「note」がクリエイティブの分野で
インフラになることが目標
最高のケースは、「note」がインターネット上で人々が何かを発信する際のインフラになること。クリエイティブ全体のプラットフォームとして、世界中の誰でもだいたいアカウントを持っているイメージですね。そうすると世の中はもっとおもしろくなるだろうな、と思っています。
加藤さんはどんな高校生でしたか?
高校3年間はパソコンを封印
女の子にモテるために頑張った!
小中の頃はコンピューターが大好きだったんだけど、高校生の頃は、3年間封印したんです。理由は、女の子にモテたかったから(笑)
今はコンピューターが詳しいってカッコいいイメージがあると思うけど、僕の時代はそうじゃなかったから。モテるためにいろいろ頑張ってましたよ。スキー部に入ったり、バンドを組んだり、おもしろいことを考えたり、女の子に優しくしたりね。でも好きなもの、音楽が好きで本が好きでコンピューターが好き、というのは今とまったく変わっていません。懐かしいですね。
- 加藤社長が心掛けている3つのこと
一番大事なことが何かを考える
僕たちは「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」を会社のミッションに掲げて、“これが会社として一番大事なこと”として社員とも共有しています。
クリエイティブであること
会社で大事にしている価値観は“クリエイティブ”であること。これは、ものを作る場面だけではなく、例えば何か問題が起こった時に人のせいにしたり文句を言うのではなく、解決方法を前向きに楽しく考えるといった“姿勢”にも言えます。
変化を恐れないこと
人って変わることが好きじゃないんです。昨日と同じことをしている方が安全だから。年を重ねて経験が増えると、余計に苦手になってきます。だけど世の中はどんどん変わるから、自分が変わらないとうまくいきません。
加藤さんが注目する
最先端のYouTuberとは!?
取材中、パソコンの話から加藤さんがよく見るYouTubeの話題に…。
「海外のDIY動画もおもしろいし、中国の李子柒(リ・ズーチー)さんもすごいよ。知ってる? ごはんを作ったり、田舎の日常生活を美しい映像で撮っている女性です。チャンネル登録者数は1000万人、中国の田舎に暮らしながら世界的なスターになっています。
今子どもたちが「YouTuberになりたい」と言うのは当然だと思うんです。だってこれが最先端だもん。有名にもなれるし、お金にもなるしね。日本人ならミュージシャンの藤井 風くんにも注目しています」
仕事に欠かせないアイテムは?
MacBookとスマホ
加藤社長
’73年、新潟県生まれ。大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。アスキー、ダイヤモンド社に編集者として勤務。『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(岩崎夏海)、『ゼロ』(堀江貴文)、『マチネの終わりに』(平野啓一郎)など話題作を多数手がける。’12年、コンテンツ配信サイト「cakes」(ケイクス)をリリース。’14年、メディアプラットフォーム「note」(ノート)をリリース。