よしもとTALKが拡大版となって表紙に登場! 7月から全国5都市14公演をめぐる単独ライブ「虫の息」がスタートしたニューヨークのお二人に、単独ライブに懸ける思いや高校生に感じて欲しいことなどをたっぷりお聞きしました! ニューヨークをテレビやYouTubeでしか見たことのない高校生必読! 読んでぜひ単独ライブを体感してみて!
刺激を受けてくれたら嬉しい
14公演で1万人を動員されると聞いて率直にすごいなと思いました。今、どんな気持ちでいらっしゃいますか?
屋敷 去年が5500人ほど動員して、今年はもう少し増やしたいなということでキリよく1万人にしたんですが、今更コトの重大さに気付いて焦ってるって感じかな(笑)。ちゃんと埋まるのか不安もあります。
嶋佐 冷静に考えたら1万人ってやっぱりすごい数字だなと思うしね。お笑いをテレビとかでしか見たことのない人にも、生で見るお笑いのネタって面白いんだなと思ってもらえたらいいなと思っています。
今回の単独ライブ「虫の息」はどんな内容になりそうですか?
屋敷 高校生の時って一番カルチャーに敏感で影響を受ける時期やと思うんです。僕自身も高校生の時にM-1グランプリが始まって、芸人の仕事に就きたいなと思ったから。芸人を目指す高校生を増やしたいとまでは言わないけど、感受性の豊かな10代のうちに僕らのエキスが一番注がれている単独ライブを観て何かを感じてもらえるなら、それほど嬉しいことはないなと思います。
高校時代のお二人が「虫の息」をご覧になったらどんな感想を持たれると思いますか?
屋敷 僕は男子だから、M-1がカッコ良くて、すごく刺さったんだよね。だから面白いと思ってもらいたいという気持ちはもちろんあるけど、見た目がカッコいいとか、二人だけでこんなにネタやってるんやっていうことも含めて芸人ってカッコいいなと思ってもらえたらめっちゃ嬉しいかもしれないですね。
嶋佐 次の日とかクラスメイトに熱く語って欲しいよね。「昨日単独ライブ行って来てさ」って。
高校生にも見に来て欲しいなって思われますか?
嶋佐 高校生に一番観てもらいたいかもなぁ。テレビでなんとなく見たことがある高校生が多いと思うから、ネタも面白いよというところを見てもらいたいな。
屋敷 高校生で芸人の単独ライブに行ったことのある子って少ないよね、きっと。高校生にとって5000円のチケット代って大きいよね。俺ら若手の頃にシソンヌさんの「男子はだまってなさいよ!」って公演を下北沢の本多劇場に二人で観に行ったんですけど、たしか6000円くらいやって、金がなさすぎて、貯金箱の金とかかき集めて行ったんです。それくらい大きな値段やと思うから。5000円に見合った内容を高校生の方に俺らが表現せなあかんと思うと気合いが入るし、払って良かったと思ってもらえるようなものにしたいなと今話していて思いました。
嶋佐 でも逆に聞きたいんやけど、高校生はニューヨークって知ってくれてるの?
屋敷 こないだ「華大さんと千鳥くん」の番組では10代の子100人のうち14人しか知らんかったんよ、ニューヨークのこと。
それ、私も見ていてびっくりしました。
嶋佐 あ、びっくりしてくれたのなら良かった。もしかしたら、どこかの会場でプライベートのなにわ男子に会えるかもしれないよ。乃木坂46とか…。好きでしょ、みんな。
屋敷 言うな言うな、たしかに招待は送ってるけど、誰も来んかもしれんから(笑)
プレッシャーが大きい
今回会場のサイズが大きくなったことで、演出面でできることも増えたりしますか?
嶋佐 これは会場が大きくなったからというわけではないかもしれないんですが、今までの単独ライブでやったことのない大掛かりな演出は一つ考えています。他の芸人さんもやっていなさそうなことを。
初日ってやっぱり緊張しますか?
嶋佐 初日は本当に緊張しますね。
屋敷 ネタがどれくらいウケるかもわからないし、初日はめっちゃふわふわしてるかな。だけど初日が終わったから後は楽という感じでもないんですよね。俺はその後もずっと緊張してるかな。テレビの仕事とかっていろんな人が力を合わせてくれてできているけど、単独ライブは本当に二人だけという緊張感もありますね。
嶋佐 いろんな仕事の中でも単独ライブがやっぱり一番緊張するしプレッシャーがかかります。
お客さんにどんな反応をしてもらうのが嬉しいですか?
屋敷 一番は笑い声が嬉しいけど、終わった後に心がこもっている拍手をもらえるのも嬉しいです。
キャーとか言われるのってどうですか?
嶋佐 俺はみんなみたいな高校生に「キャー」とか言われたいな。
屋敷 言われたいっていうか、正直言われたことないからわからへんねやろ(笑)。俺らの場合は特に単独ライブはよく知ってくださっているお客さんが多いからね。
公演を重ねていく中で内容は少しずつ変わっていったりするんですか?
嶋佐 ちょこちょこ削ったり、少しずつブラッシュアップしていくところはあるので、初日と最終日がまったく同じということはないですね。
屋敷 ミスして変わることもあるしね(笑)。終わった後にお客さんの反応を見たり、作家さんに相談したりして直すんやけど、逆に初日の反応があまり良くなくて、次こそはいけるやろうって直さずに次やって、それを繰り返して最後まで全部すべったこともある(笑)
お二人だけで14公演の間、気持ちを保っていくのって大変ではないですか?
嶋佐 2時間近くネタをするって体力的にも疲れるからね。たしかに気持ち保つの大変かも!
屋敷 去年8公演して、もう限界やなって感覚やったから、その倍ですもんね。自分らでもどうなるんやろうってビビってるところがありますね。喉とか大丈夫かなとか。わ! 今めっちゃ嫌なってきた!(笑)
単独ライブの合間に他のお仕事もあるんですよね?
屋敷 そうなんです。だけど意外といいリフレッシュになったりもするんです。他の芸人と話したりしている方が僕は気が楽かもしれないですね。
ライブの前にするルーティンみたいなことってありますか?
嶋佐 ないんですよね。賞レースの時もそうでしたけど、僕は何も決めていないタイプです。
屋敷 決めるとそれをやり損ねた時にすごい焦りそうやしね。
今回の「虫の息」を色で表すとしたら、何色ですか?
屋敷 何!? その質問!
嶋佐 今までインタビュー色々受けたけど、初めて聞かれたよ。何やろう…「虹色」かな。七色! 1色だけじゃない、僕らのいろんな色が見られるからね!
屋敷 じゃあ俺は…「八色」! 七色より1色増やして。
何色を増やしましたか?
屋敷 黒! 黒ってブラックな意味もあるし、一番純粋な色でもあると思うんで、俺らの根っこの部分…根っこが真っ黒という意味ではないんですけど(笑)、一番シンプルな真髄の部分も見せたいなと思っています。
日常的に面白い瞬間が生まれる
TVとYouTubeと単独ライブってそれぞれお二人の中でどんな風に捉えておられますか?
屋敷 どれが上とかどれが下とかはなくて、この3つをバランスが偏らないようにこの先もやっていければいいなと思っています。
嶋佐 それぞれにやっていて面白さの種類が違うんです。もらう反応が違うところも面白いなと思っています。YouTubeは良くも悪くもダラダラできるというか。
屋敷 テレビやったら嶋佐がこれをやって俺はこれをやってという役割があったりするけど、YouTubeにはないしね。
面白さって目に見えないし、スポーツのように確立された練習方法はないと思うんですが、お二人は面白さをどうやって磨き続けておられますか?
嶋佐・屋敷 すごい質問やな!
屋敷 君たちに「スゴい」って思われたいから、今嘘つこうかなって思ってる(笑)。“面白さを磨く”かぁ…!
はい、すごく気になります。
屋敷 面白さを磨くというより、面白くないと思うことをやらんことじゃないかな。自分たちがあまり面白くないと思うことを何かの理由で無理してやっていくと、物差しが粗くなっていくというか変わってくるから、それをやらないことかなと思います。できてるかどうかはわからんけど、イメージとしてはそういうイメージかな。
嶋佐 芸人とか業界の変わった人とか、周りも面白い人たちばっかりなので、そういう人と過ごしていたら、ただただ飲んでいるだけでも面白いことがいっぱい起こりますからね。日常的に自然と面白い会話や面白い瞬間が生まれるんです。そういう環境にいる中で今のように芸人やらさせてもらっているって感じですね。
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