小林愛香|「あの時勇気を出して踏み出していなかったら今がないと思う」

2020年にメジャーデビューし、歌手だけでなく「ラブライブ!サンシャイン!!」の津島善子役をはじめ声優としても活動されている小林愛香さん。12月にリリースされた1st EP『syzygy』や高校時代についてなどをchスタッフがお聞きしました!

ファンの温かな行動に感動した
誕生日の出来事

10月から12月上旬までライブツアー「2022“syzygy”」を周られていましたが、小林さんはどのような思いでこのツアーを周られましたか?

小林 このツアーでは、小林愛香史上一番多くいろんな場所を巡らせていただいたツアーでしたので、すごく緊張もしていましたし、本当にできるのかなという不安もありました。でも、いざ皆さんの前に立ってみると楽しいしかないツアーで、皆さんのポジティブを引き出すツアーにできたらいいなと思いながら周っていました。

全国12カ所を巡られたのですよね。

小林 なるべくいろんな場所に行きたいなと思っていて、今回12ヵ所を周ることができてすごく嬉しいです。スタッフの方と47都道府県を周りたいという話をしているので、まだ行けていない場所にもいずれ行けるように頑張りたいです。

今回のツアーで特に印象に残っている出来事はありますか?

小林 初めて私の誕生日とライブの日 (10月23日に行われた宮城県仙台darwinの公演) が重なったのですが、目の前の皆さんが「おめでとう」とお祝いをしてくれたのがすごく嬉しい時間でした。お誕生日ケーキが出てきて、私が会場の皆さんにケーキを見せようとすると、最前列の人たちから自然と座っていってくれて後ろの人たちにケーキが見えるようにしてくださったんです。なんて素敵な方々に応援されてここまでこれたんだろう、あったかい皆さんに応援されているからこそ私もそんな気持ちを忘れずにいたいと思った出来事でした。そんな皆さんとこれからも一緒に歩めることがすごく嬉しいです。

ライブで心掛けておられることはありますか?

小林 誰ひとり置いていかないこと。私もみんなを観に来たような思いで一人ひとりと目を合わせることをすごく意識してステージに立っています。マスクをしていて目元だけの表情だけでも、笑っているんだなとか、感動して涙を流してくれているんだなとか、皆さんがいろんな感情になって楽しんでくれている様子が本当に一つひとつ伝わってくるので、一人ひとりの目を見ることをすごく大事にしています。

小林さんは幼少期からバレエやダンスを習われていたそうですが、どんな高校生活でしたか?

小林 高校時代は結構黒歴史化しているんですけど (笑)。もちろん楽しいこともいっぱいありましたし、忘れてしまいたいと思うこともきっとあったと思うし、すごくいろんなことが詰まっていました。高校時代はダンスを習っていてダンススクールに入り浸っていました。あと、友だちに誘われてファストフード店でバイトをしていました。忙しくて充実した高校生活を送っていたのかなと思います。

毎日ダンスのレッスンに通われていたのですか?

小林 レッスンがなくてもスクールに行けばスクールの友だちが誰かしらいるのがすごく楽しくて、毎日のように入り浸っていました (笑)

クラスではどんなキャラでしたか?

小林 おちゃらけた人 (笑)。私、内弁慶なので周りに友だちがいるとムードを作るというか、おちゃらけた感じにできるんです。内弁慶を発揮してめちゃめちゃ楽しんでいました。

高校時代の夢は何でしたか?

小林 夢は歌手になることと保育士になることでした。物心がついた時からその夢を変わらず持ち続けていて高校生の時に歌手としてデビューしましたが、保育士になりたい思いもずっとあったので、高校卒業後は保育士の専門学校に進んでどちらの夢も諦めずに持っていました。

今まで見せたことのない色を
どんどん見せていきたい

12月7日に1st EP『syzygy』が発売されました。なかでも『Holiday!!』は、小林さんが歌われるからこそすごく信頼できて前向きになれる歌詞で聴いていて元気が出ました。『syzygy』は小林さんにとってどんな作品になりましたか?

小林 約1年半ぶりにCD作品としてまとまって新曲を皆さんに届けられることが本当に嬉しいです。今回は、今まで見せたことのない色をどんどん見せていきたいという思いを込めていて、小林愛香として歌ってこなかったようなカッコいい感じの曲やクリスマスの曲など個性の強い楽曲がギュっと詰まった作品になっています。みんなの中の “あなた” に届いて欲しいとずっと考えて真っ直ぐ歌いました。

それぞれの楽曲で歌い方の違いや曲に対しての意識の違いはありますか?

小林 今回一番意識をしたのは2曲目の『Gimme the mic, gimme the light』という曲で小林愛香としては挑戦した楽曲です。私、安室奈美恵さんが大好きなんですけど、安室さんの曲も書かれていたKanata Okajimaさんが作詞作曲に入ってくださっているんです。私が憧れてきた安室奈美恵さんという存在、そして私自身も憧れられる存在になりたい思いがあるので、カッコいい小林愛香を聴かせたくて、ちょっとエッジを効かせたような歌い方をしてみました。

今、高校3年生は受験勉強の真っ只中です。勉強を頑張る高校生に向けてアルバムの中からオススメの1曲はありますか?

小林 『MI-RA-I miracle circle』かな。オシャレなサウンド感で、踊り出したくなるような曲ではあるんですけど、「未来」というテーマや歌詞に出てくるワードが全部ポジティブなので前向きになれますし、“やってやる!”と鼓舞されると思いますので、ぜひこれを聴いて頑張っていただけたらと思います。

小林さんといえば「ラブライブ!サンシャイン!!」の津島善子役の声優をされていますが、最初に声優のお話が決まった時はどのように思われましたか?

小林 はじめに「事務所の社長にオーディションを受けてみない?」と言っていただいたのですが、私は元々歌うことを目標に頑張ってきたし、声優を目指して頑張っている方々に申し訳ない思いもあって断っていたんです。でもある時、自発的に動いていかないといけないんじゃないかと思うようになって、自分の中の閉ざしていたものを解放して一歩踏み出してオーディションを受けることにしたんです。飛び込んでみたら、そこから導かれるように本当にいろんな世界が広がっていって、たくさんの可能性をくれたお仕事なので出会えて良かったと思います。あの時勇気を出して踏み出していなかったら今がないと思うので、いろんな運命に感謝しています。

津島善子役を演じられて今年で7年になります。長くキャラクターを演じられる上で大変なことはありますか?

小林 声優としての活動がゼロからのスタートでしたので、最初は手探りでした。台本の見方もわからないし、VTRを確認するように言われても何を確認したらいいかもわからなくて。何もかもわからない状態からのスタートで毎日が勉強でした。なんなら今も勉強中ですけど、津島善子とすごく長く寄り添えているからこそ私自身も成長させてもらっているし、彼女自身の成長も感じられるので毎日楽しいです。

津島善子役以外でもキャラクターを演じられる上で大切にされていることはありますか?

小林 自分のできる限りの全力でその子が一番輝くようなお芝居や声色でサポートしていきたいと考えています。

声を使われるお仕事をされていますが、普段の生活で気をつけておられることはありますか?

小林 気を付けすぎると喉が鈍るというか繊細になってしまうので、最近はあまり気をつけすぎないようにしていて、過剰に加湿をしたりのど飴をずっと舐めたりせず、激辛の物も食べますし、お酒も飲みます (笑)。全然甘やかさないようにしています。

ライブ前にされていることはありますか?

小林 ルーティーンは持たないようにしています。ルーティーンにしてしまうと、それができなかった時にそわそわして逆に緊張してしまうので。でも、ライブの時はなるべく早く起きて喉を起こす、声を起こすことを心掛けています。

▶“楽しい” に貪欲になって前に進む勇気を持ってチャレンジしていきたい。