キヤノンマーケティングジャパン株式会社の企業内起業 ichikara Lab(イチカララボ)とch FILESがともに未来について考える企画「私たちの未来予想図」。
第3回目は若者が求める「学びのカタチ」を考える新規アイデア創出ワークショップ。ワカモノスタディ11「若者が求める学びとは?」のインサイト(若者が本当に学びたいこと)に関して、どう学ぶのが良いか“学びのカタチ”をテーマにアイデア発想に挑戦しました。
キヤノンマーケティングジャパン初の企業内起業。若年層マーケティングの強化と新たな顧客層へのリーチを目指し、恒常的に幅広い若年層と活動しています。トレンドを生み出し波及する力のある若年層への本質的な理解を深め、いち早く未来に繋がるヒントを捉えています。若年層マーケティングから獲得したインサイトを活かした新規商品・サービスの企画・開発へ挑戦しています。
ワークショップの流れ
①事前課題
ワカモノスタディ11「若者が求める学びとは?」を読み、着目した課題(解決したいこと)を各自ピックアップ。それをもとに、あったら参加してみたい「本当に学びたいと思うことを学ぶ機会(サービス)」のアイデアをシートに記入する。
②「チームの方向性(初期課題)」を決める。
学生3〜4名・ichikaraLabメンバー1名のチームに分かれ、それぞれのシートを共有。着目した課題について具体的なエピソードを語り合いながら、「どの課題ならより共感できるか?」を軸に方向性を定める。
③課題の深層を探る。
「課題に対する理想の状態」と「理想を阻害している問題」を言語化し、その問題が起きる理由を出し合う。その理由中から解決したらより効果が有りそうな“クリティカルな理由”をピックアップし、“解決したい課題”をブラッシュアップ。
④「理想の姿を達成するための手段」
“クリティカルな理由”を解決するための方法、つまり「理想の姿を達成するための手段」=若者が求める学びのカタチを考える。
TEAM.A
メンバー:あやみ(大1)・まな(大2)・ゆうき(高3)
全員が事前課題で「他人とつながる」ことに着目していたことからチームの方向性を決定。理想を阻害している問題をいくつかあげてみると、根底に「自己肯定感の低さ」があるということが見えてきました。
多様な人と交流を持ちたいけれど、ハードルが高い
•推しのことを知っている人が周りにいなくて一般的な話題で過ごしていた。もっと本当に好きなことを話せる場がほしい。
•多様な人の話を自分にインプットして、そこから自分軸を作りたい。
•芸術や文学など、教育として学校で与えられても面白いと思えないが、自ら進んで触れていくと面白いと思えるので、そうした経験ができる機会を生み出すのが重要なのではないか。
多様な人たちと交流することで自分を知り、自分の軸が作られている状態
理想を阻害している問題
特別なことをするときに周りの目を気にしてしまう。「自分には無理」と自分で制限をかけてしまう」
•人と同じことをしていれば間違った方向にはいかないだろうという意識がある。
•向き不向きで物事を考えてしまう。
•自分を肯定してくれる人と直接会えない。
学校でも協調性を重視されていたため、自分の中に刷り込まれている。
→世界をひろげたいという思いが自己肯定感の弱さに負けてしまう!
自分を褒める。自分の取り扱い説明書を作る。
•自己理解をする場を作る
•自分がオンリーワンだと感じるポイントを探す。
自己肯定感を上げるためににはやっぱり自分で自分を褒めることが大切。でも、それだけではなかなか難しい。ならば他人にも手伝って貰えば良いということで、「自分はこういう状態の時にこう扱ってもらえると自己肯定感が上がります」という取り扱い説明書を作るというアイデアに至りました。また、自己肯定感が低い原因の一つに自己理解が足りていないこともあるので、説明書を作る仮定で自己理解を深めることができるというメリットも。
TEAM.B
メンバー:しおり(大1)・りりか(大3)・りおん(大4)・しゅしゅ(高3)
進路決定や就活を行う中で、やりたいことはあるけれど、本当に自分にできるのかという客観的な根拠がないと感じたというチームメンバーに共通する経験から「自分のやりたいこと・思い描くものはあるが、それに対する自信がない」という課題に着目。それを反転させたものを「課題に対する理想の状態」に設定しました。
自分のやりたいこと・思い描くものはあるが、それに対する自信がない。
•就活中の面接で強みを聞かれることが多いが自信がない。客観的にみて何が強みなのかを知りたい。
•自分は何がやりたいんだろうとふと思う。有名会社に就職できればいいという考えの友人もいるが、それで自分がやりたいことができていくのかわからない。
自信をもって、自分のやりたいことを明確に話せる、伝えられる。
理想を阻害している問題
そもそも自己肯定感が低く、やりたいことを考える中で視野の狭さに気づいてしまい、自分の選択に自信がもてない。
•限られた同世代のコミュニティの中でやりたいことを考えたあとに、視野の広さを知る。
•小中高と均一性を求められる学びを受けた上で、就活で突然多様性を求められる=手遅れ!「多様性」といいつつ、学校ではある程度の枠組みの中での多様性が求められる
•限られたコミュニティにとどまるのは、刺激はSNSで受けることができているから。でもリアルに視野を広げるためにSNSを活用できているのではなく、あくまで日常へのリスクを抑えた娯楽として楽しんでいる。
学生にとって学校・クラスが“社会”の全てになってしまっている。
→学校以外のコミュニティに気軽に参加できない。
リアルでもネット上でも多様な人が集まれる場所を作る。
•多様な人が集まれる、安全性を確保した第二の学校のような居場所を作る。
•中高生のうちからミニインターンのような社会に触れる機会をもっと作る。
•全国の同学年と繋がれるSNSを作る。
「自分のやりたいこと・思い描くものはあるが、それに対する自信がない」のか。それはそもそも自己肯定感が低いこと、やりたいことを考える中で視野の狭さに気づいてしまうことにあると考えました。そしてその視野の狭さは学生にとっての“社会”が年齢や環境、価値観の近い人が集まる学校・クラスという限られたものだけになりがちだから。ならば視野を広げるために、気軽に参加できる学校以外のコミュニティを作ればいいという結論になりました。
TEAM.C
メンバー:せと(大1)・みずき(大2)・もえ(大3)・れな(高1)
「自分のスキルアップ・新たなコミュニティとの出会いがない」ことを初期課題に設定。学校では決められたカリキュラムを学ぶので、本当にそれぞれが学びたい、スキルアップしたいと思っていることに触れる機会が少なく、出会える人も限られているので自分と同じものに興味関心がある人を見つけることがむずかしいと感じています。
自分のスキルアップ・新たなコミュニティとの出会いがない。
•実行力があって人をまとめる力をもつ、芯がある、周囲に流されない人になりたい。
•社会問題について自分の意見を発信できる場がほしい。
•ALTの先生は日本に慣れているので、そうではない外国人と関わるきっかけがほしい。
誰でも参加できる学校以外で興味あることを学べる場所がある。
理想を阻害している問題
スキルアップや興味があることを学べる環境・時間がない。
•勉強は学校の机ですべきという固定概念が根強くある。
•何かをやり遂げたいというパッションは持っていても、一歩踏み出す勇気がでない。だからそれができる人に嫉妬してしまう。
•新しいことをして得られる喜びを知らない人が多く、リスクばかり見てしまう。
同じ物を好きな仲間を見つける手段がない。
学校以外のコミュニティに参加できる機会を増やす。
•同じ趣味を持つ人との掲示場や好きなことのイベントやサークルを設立できる公式的な協会を作る。
•世界の学校と交流できる機会があれば、海外にも自分の好きなものを共有できる人ができる。
•信頼できるワークショップを開催するするために、大企業とタッグを組む。
人で会う手段としてSNSもあるが、相手の素性が見えづらいという不安感があるので、信頼できる企業によるワークショップや学校単位で交流できる機会があれば安全性も確保され、より良いのではないかと考えました。
ichikara Lab
ワークショップに参加してみて