キャスト&監督はどんな高校生だった?『きみの色』名古屋舞台挨拶レポート

8/30(金)公開の映画『きみの色』。「けいおん!」シリーズや『映画 聲の形』を手掛け、世界が注目するアニメーション監督・山田尚子の最新作となるオリジナル長編アニメーションは、山田監督が最も得意とする「音楽✕青春」の物語。少女たちそれぞれが向き合う自立、葛藤、恋模様がまるで絵画のような美しい映像で描かれます。

本作の公開に先駆け名古屋で高校生限定試写会と舞台挨拶が行われ、声のキャストを務めた鈴川紗由さん、髙石あかりさん、木戸大聖さん、そして山田尚子監督が登壇。名古屋での思い出や作品について語り、高校生からの質問にも答えてくださいました!


本日は名古屋での舞台挨拶です。みなさん、名古屋での思い出はありますか?

髙石 母が名古屋の出身なので、母の味を感じる名古屋のご飯が大好きです。

鈴川 お昼にひつまぶしをいただきましたが、美味しすぎて一気に名古屋の虜になってしまいました。姉が一時期住んでいたので何度か遊びに来たことはあるのですが観光は行ったことがなくて。観光スポットに行ってみたいし、グルメももっと楽しみたいです。

木戸 昨年、バンテリンドームでファーストピッチをさせていただきました。あまりいい投球ができなかったので、いつかリベンジしたいです。

山田監督 さっき味仙のおせんべいをいただきました。辛すぎてびっくりしました。私も友だちがいるので名古屋にはよく来ていて、豊田市美術館が大好きです。

もう少し範囲を広げて東海三県はいかがですか?

木戸 ドラマの撮影で豊橋に行きました。カレーうどんが美味しかったです。

髙石 二年前に友だちと伊勢神宮に行きました。本当は毎年行きたいんですが、なかなか機会がないので、「今年こそは…」と思っています。

鈴川 私は名古屋以外は行ったことがなくて。旅行は好きなので、オススメの場所があれば教えていただきたいです。

山田監督 京都の出身なので、近鉄特急で三重もよく行っていました。とくに伊勢神宮が…、あれ?被った。

髙石 いいじゃないですか、二人とも好きで!

山田監督 そうだよね(笑)。あとは鳥羽水族館も大好きです。ジュゴンがかわいいんですよね。

来ていただいているのは高校生とその保護者の皆様ということで、どんな高校時代を送られていたのかをお聞きしたいです。

鈴川 去年まで高校生で、あんまり授業で発表しない静かなタイプでした。でもみんなでクリスマスにピザやドーナツを持ち寄って食べたり、友だちのバースデーパーティーを開いたり、イベントを大切にしていました。

髙石 通信高校だったので、年に1回、1週間だけ学校に合宿に行って、その間みっちり試験でした。年代もバラバラな初めて会う人たちと、息抜きに海に突っ走って遊んだり、青春と呼べる貴重な経験をさせていただきました。

木戸 僕は部活に明け暮れていました。合宿がきつくて、夏は辛い思い出が多いですが、乗り越えた達成感やみんなで帰ってきてから遊んだことはいい思い出です。

監督からは高校時代のエピソードを交えながら、高校生へのエールをお願いします。

山田監督 靴下で廊下をダッシュして滑っているようなやんちゃな高校生でした(笑)。みなさんはコロナもあって大変だったと思いますが、たくさん遊んで失敗して、様々な経験をして大事な時期を過ごしてください。

映画のお話もお伺いしたいです。今作はオリジナル作品ですが、そもそも何を描きたいと思って構想を練られたのでしょうか?

山田監督 「バンドを組んでいる子たちのお話」を描きたかったのが始まりです。自分だけが好きな音楽があったり、友だちと共有することでより好きになる音楽があったり、音楽をきっかけに花開く感情があると思ったんです。

鈴川さん、髙石さん、木戸さんは1600人の中から選ばれた3名ですが決め手になったのはどういった部分だったのでしょうか?

山田監督 とにかく声が優しいんです。この映画で描きたい、人を思いやる心や相手を大切に思う気持ちを声で表現してくださる方だと感じてお願いしました。

お三方は演じてみていかがでしたか?

鈴川 アフレコ時は高校3年生で、人の目を気にしすぎてしまったり、自分を認めてあげられないという感情に共感できたので、あまり作りすぎずに等身大で演じました。

髙石 きみはおばあちゃんや友だちに見せている自分と本当の自分とのギャップに悩んでいる女の子で、私も最近まで同じような思いがありました。それがとても繊細に描かれていて、同じように悩んでいる人や過去にそうだった人、これからそういう経験をする人にも感じてもらえるものがある作品だと思います。

木戸 監督がこの作品のテーマの一つとしてあげられている「好きなものを好きという強さ」。僕も高校3年生で部活を引退したころに本格的に役者を目指すようになりました。ルイくんも家庭の事情と音楽が好きな気持ちの間にいたけれど、二人と出会って前に進んで行くところは自分に重なる部分があって、自分の過去も活かしながら演じさせていただきました。

本日はせっかくなのでお越しいただいているみなさんからの質問もお受けしようと思います。

高校生 アフレコのときに意識したこと、難しかったシーンを教えてください。

鈴川 トツ子はきみちゃんとルイくんをグイグイ引っ張っていくので、その明るさを出すのが難しくて。豚鼻をするシーンでは鼻にティッシュを詰めてみたり、教会でお互いの秘密を話すシーンでは部屋を暗くして椅子に座ってみたり、そのシーンとリンクさせて収録をしました。

髙石 きみはトツ子、ルイといるときとおばあちゃんに見せる姿が全然違うので、そこはすごく苦戦しました。内気なところを隠して明るく振る舞うところは監督と話ながら塩梅を調整していきました。

木戸 ルイくんは二人と音楽を楽しんでいるときの少年のような感じと、家族と話すときの思春期の男の子独特の雰囲気に振り幅があったのでそこは意識して演じ分けました。

高校生 自分を色で表すなら何色ですか?

髙石 情熱的な自分も冷静な自分もいるので、炎の色でもあって、一方で冷たさも感じさせる青だと思います。そもそも青が好きで、きみが青だと知って運命を感じました。

鈴川 よく第一印象でふんわりしたイメージを持たれることが多いので、自分で言うのは恥ずかしいですが、ピンクかな。

木戸 一番好きな色が赤色なので、それに寄りに行っている気がします。スポーツをやっていたので負けず嫌いなところもありますし。

山田監督 いつも「自分のことは見えないからわかりません」と答えてたんですが、みなさんがちゃんと答えていて反省しました(笑)。なりたい色は目立ちすぎず、どんなところにもはまるレモンイエローです。

もっとお話を聞いていたいのですが、残念ながらお時間となってしまいました。最後に監督からご挨拶をお願いします。

山田監督 今日はみなさんの大切なお時間をいただき、ありがとうございます。トツ子たちと同世代の方に観ていただけて本当に嬉しいですし、少しでも気に入っていただけていたらいいなと思います。ぜひまた劇場に観に来ていただけますと幸いです。


映画『きみの色』
    • 監督:山田尚子
    • 脚本:吉田玲子
    • 声の出演:鈴川紗由 髙石あかり 木戸大聖 やす子 悠木碧
      寿美菜子 戸田恵子 新垣結衣
    • 主題歌:Mr.Children「in the pocket」(TOY’S FACTORY)

©2024「きみの色」製作委員会

8月30日(金)よりミッドランドスクエアシネマ他全国東宝系にてロードショー!