配信シングル「トリハダ」でメジャーデビューを果たしたシンガーソングライターの門脇更紗さん。昨年4月に学校法人立志舎のCMソング「夢は終わらない」の歌唱アーティストにも抜擢され、大きな注目を集めている門脇さんの魅力にchスタッフが迫りました!
メジャーデビューおめでとうございます。コロナ禍で音楽活動にも様々な影響が出ている中でのメジャーデビューとなりましたが、今のお気持ちはいかがですか?
門脇 こんなことって滅多にないことですよね。ただ私はすごくポジティブに考えています。これからのことを楽しみにしながら進んでいきたいです。
デビュー曲の「トリハダ」はタイトルがとても印象的です。このタイトルに込めた想いを教えてください。
門脇 今の事務所に入ることが14歳のころからの夢でした。ある日のライブ後にそんな憧れの事務所の方から名刺をいただき、鳥肌が立ったんです。そのときのことを「鳥になるくらい鳥肌が立ちました」と周りの人に話したら、「おもしろいね!」と言ってもらえて。それがきっかけでこの曲を作ったのですが、「トリハダ」というと、怖い話を聞いたときに立つものというイメージが強いので、英語表記にしようかなどいろいろ悩んだんですが、そのまま「トリハダ」にしちゃいました。
「トリハダ」は力強いけれど優しい曲だなと感じました。この曲の歌詞はどのように生まれたのですか?
門脇 小さいころは夢見ることができていたのに、歳を重ねていくうちに現実味を帯びてきて「まだ夢を見ているの?」「まだ音楽活動をしているの?」という周囲の目を気にしてしまうようになって。でも私は周りの目に左右されるんじゃなくて、終わりは自分で決めたい。だから、私と同じように夢を追いかけている人には、自分がどこまで行きたいのか、ということを周りに左右されずに考えて欲しいなと思ってこの歌詞を書きました。「理想を描いているのは馬鹿らしいかい?」という歌詞にもつながっていると思います。
「トリハダ」という言葉を使わず、あえて「ぞわぞわ」や「背中をなでるように」と間接的に「トリハダ」を表現しているAメロが、あぁ素敵だなぁと思うのですが、門脇さんが歌詞の中で一番好きなポイントはどこですか?
門脇 私も今言ってくれたところと全く一緒になっちゃうんですけど…(笑)。1回目のAメロからさらに思いの強くなった主人公が2回目のAメロで表れているので、Aメロはすごく大事な部分かなって思います。
作詞されるときはワードを先に決めていますか?それとも雰囲気から広げるように作詞されていますか?
門脇 雰囲気から広げることが多いですね。例えば「いいやん」という曲なら、流行りの言葉を入れることで、表現したいニュアンスが聴く人により伝わるかなと思って“Uber Eats”や“YouTube”などのワードを入れました。「東京は」の「マーチンの8ホール」という歌詞は、「ブーツ」にするか迷ったのですが、実際に履いて靴ずれしたことがあったので、そこは本当のことを書こうと思って。
歌詞もさることながらメロディーもすごく印象的で、それこそトリハダが立つくらいでした。曲はどのように作られているのですか?
門脇 ありがとうございます!曲はふいに思いつくことが多いです。バスの中で突然思いついて、その場でスマホにメモしたり。私、夜じゃないと作業が出来ないので、昼に制作しようと思ったらカーテンを全部閉めて、光を遮断することもあるんです(笑)。
門脇さんの曲にはゴスペルなど様々な音楽を取り入れられていますが、すごく影響を受けた曲があれば教えて下さい。
門脇 テイラー・スウィフトや、ゼッド、ザ・チェインスモーカーズ、アリアナ・グランデ…、バラバラに聴き過ぎて、どこから影響を受けたのか明確には分からないです。でも、テイラー・スウィフトさんの曲は、「よし、作るぞ!」という意欲をくれました。
門脇さんのMVは曲によって世界観が異なりますが、今回のMVのこだわりを教えてください。
門脇 今回のMVは自分が出るのか他の人に出演していただくか悩んだのですが、もともと宮世琉弥くんが私の「東京は」という曲を聴いてくれていたこともあり、出演をお願いしました。女性が歌っている曲のMVに男性だけが出演するというのも素敵かなと。風になびく白い布を背に走るシーンがあるのですが、カッコよくきめてもらえました。撮影現場はすごい暴風だったそうですが、真っ青な空の下で撮影できて、とても良いMVに仕上がったと思います。
「トリハダ」のジャケットのイラストもすごく素敵です。これまでのアルバムのジャケットも印象的だったのですがこだわりはありますか?
門脇 イラストレーターさんには曲を聴いたインスピレーションで描いてほしいとお願いしています。今回はずっと前からインスタグラムをフォローしていたmame (まめ)さんにお願いしました。
インスタの投稿の雰囲気やファッションも、いつも素敵だなと思いながら拝見しています。
門脇 暖色系より寒色系、特に青色が好きなので、インスタも青を入れたりモノクロに加工したりしていますね。
門脇さんは10歳からアコースティックギターを始めたそうですが、音楽を始めたきっかけと、自分で曲を作ろうと思ったきっかけをお聞きしたいです。
門脇 もともと3歳からピアノを習っていて、音楽には小さいころから触れていました。それと同時に習っていたクラシックバレエを、自分には合わないと思って10歳のときにやめたんです。そのときお母さんに「YUIさんが好きならギターをやってみたら?」と言われたのがギターを初めたきっかけです。
お母さんの一言だったんですね。
門脇 それからアコギを弾いてみたのですが、手が痛くて。結局エレキギターでずっと練習していました。初めは独学だったのですが、少し経ったころからはレッスンに通いました。小学6年生くらいで、徐々に本気でやりたいなと思うようになり、中学2年生のとき、オーディションを受けてみたら、最終の手前の一般投票の段階まで行ったんですけど、ダメで。落ちたのがすごく悔しくて、その経験から曲を作ろうと思いはじめたんです。今思えば落ちてよかったです(笑)。
高校一年生の夏から本格的に音楽活動を開始されたとも拝見しました。高校時代はどのように活動されていたのですか?
門脇 一年生のころから、ライブハウスで歌うようになりました。それから知り合いも増え、色んなライブハウスに出るようになって。高校二、三年生のときには路上ライブも含めて、三日に一回はライブをしていました。東京でのライブも多く、地元と行ったり来たりで、出席日数はギリギリ(笑)。でも、先生も応援してくれていました。制服姿でライブハウスに行ったこともありました。
路上ライブを始めた頃は、門脇さんのことを知らないお客さんばかりだったと思うのですが、そんな人達を惹き付けるために心がけていたことがあれば教えてください。
門脇 地元で初めて路上ライブをしたときはもちろんお客さんは全然いなくて、これは無理だと一度は断念しました。でも、ライブハウスで活動をしているうちにファンの方が増えて、路上ライブにもその方たちが来てくださるようになりました。そんなファンの方に近くに来てもらい、私をわざと隠すことで、「誰なんだろう?」と道行く人に興味を持ってもらうようにしていたのはひとつの作戦です。でも、今は密になれないので、ラジオ体操が始まるんじゃないかというくらいの間隔を空けてもらっています(笑)。
門脇さんの歌声、歌い方が独特で特徴的だなと思ったのですが、そのユニークな歌い方は独学で習得したものですか?
門脇 独学です。元々、洋楽を聴くことが多く、歌い方を真似して取り入れたりしていました。自分の声って録音してみると、「え、こんな声なの?」って思うことあるじゃないですか。最初はやっぱり慣れなかったのですが、レコーディングを重ねるにつれてどんどん好きになってきました。昔は子供っぽかったですが、だいぶ声変わりしたかなぁと思います。高校生の頃の音源を聴くと全然声が違う。
音楽活動にあたり、バンドやボーカロイドなどの選択肢もあったと思います。その中で、シンガーソングライターを選ばれた理由を教えてください。
門脇 あまり意識したことはなかったですが、憧れのアーティストがソロだったからかな。誰かと一緒にという案がなかったわけではないのですが…、独り占めしたいんですよね。
独占欲ですか?
門脇 そうですね、独占欲です(笑)。オーディションで、バンドの人たちがいると、みんなで手を合わせたり円陣を組んでいたりしていいなと思うことはありましたが、寂しいとかは全くなく、自然と一人でという感じでした。
門脇さんの音楽を聴いていると、日常を丁寧に生きている方なのだろうなと感じます。きっと料理も上手なんだろうなとか。
門脇 料理はよくしますよ。スマホに自炊写真のフォルダを作って、どれだけ増やしていけるかチャレンジしています。最近は、炊き込みご飯を作りました。
炊き込みご飯、おいしそう!勝手なイメージですが、ホットサンドメーカーも持っていそうだなと思いました。
門脇 持っています、ホットサンドメーカー!
コツコツ毎日やる派 or 前日に一気に詰め込む派?
今月の特集テーマは「勉強法」ですが、門脇さんは、テスト勉強をコツコツ毎日やる派でしたか?それとも前日に一気に詰め込む派でしたか?
門脇 一気にやる派ですね。テスト期間中はご飯やお風呂などを全て終わらせてから朝まで勉強。お昼にテストが終わったら、家に帰ってお昼寝していました。というのも、私、脳が「ちくわ」状態で(笑)。覚えようとしても右から左に流れていってしまうんです。好きなものは定着するのに。学生時代は日本史を選択していたんですが、「なんでこんなに似た名前の人が出てくるの!?」って。そういうときは、替え歌で覚えていました。
好きな教科は何でしたか?
門脇 英語です。得意というわけではないですが、好きでした。英語に特化したクラスだったので、周りも洋楽ばっかり聴いていて。歌詞を調べてみて、こんな内容の曲を家でも流していたのか…ってなったり。
よくあります(笑)。
新しいことを始める人へのアドバイス
3月は上京をする人も多いですが、去年リリースされた「東京は」の歌詞から門脇さんの東京に対する熱い想いを感じ、とても心に響きました。上京された時は、どんな気持ちだったのですか?
門脇 両親から離れて、一人でなんでもしなければいけないことに不安もあったけれどワクワクの方が大きかったです。家具を選ぶのも楽しくて。
門脇さんにとって東京はどんな街ですか?
門脇 東京に住んでいる今でも、憧れの場所ですね。「東京は」のサビに「平等な気がして」という歌詞があります。理由は忘れたんですがとても落ち込んでいたときに、渋谷のスクランブル交差点にいる人たちを見て、頑張っている人は私だけじゃなくて、他にもいっぱいいるんだと気づきました。ここで傷ついても、みんなも頑張っているんだから平等だなって。それは地元にいては気づけなかったことです。
地元を恋しくなる瞬間はありますか?
門脇 山がたくさんある環境で育ったので、緑の匂いを嗅ぐと恋しくなりますね。地元に帰って電車を降りたら、まず息を吸って「良い匂い!」って。
この時期は新しいことを始める人も多いですが、そんな人に向けてアドバイスがあればお願いします。
門脇 人生一回きりだし、やりたいことは若いうちにやった方が絶対得だと思います。悩むこともきっとたくさんあるけれど、“自分が一発目に感じた気持ち”は、その後に思った気持ちよりも大事にしてもらいたいなと思います。私は音楽をちゃんとやりたいという気持ちがありつつも、周りがみんな進学するからと短大に進みました。でも、やっぱり、3ヶ月で辞めました。両親には申し訳ないことをしましたが、音楽をやりたいという気持ちを大切にしたから、今があるんだと思っています。
最後にこれからの夢や目標を教えてください。
門脇 やっぱり今の一番大きな夢は日本武道館ですね!全国ツアーをして、その時はぜひ東海にも行きたいと思っています。あとはアジアや台湾でもライブをしてみたいな。
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— chFILES東海版 (@chFILES_tokai) March 20, 2021