iri│「音楽が自分を支えてくれていたので、音楽を通して人を支えられる仕事がしたかった」

数多くのファッション誌にも登場し、海外のライブにも出演するなど多方面から注目を集めるシンガーソングライターのiriさん。前作から約1年3ヶ月ぶりにアルバム『PRIVATE』をリリースし、初のホールツアーも控えるiriさんにお話をお聞きしました!

日常で起こった私的なドラマを詰め込んだ
オリジナルアルバム『PRIVATE』

まずはアルバムタイトルの由来を教えていただけますか?

iri 最初にタイトルを決めてからアルバムを作り始める方もいらっしゃいますが、私はアルバムの全体像が見えてきてからタイトルをつけることが多くて。今回は10曲目に収録されている曲の歌詞を書いているときに “プライベート”という言葉が浮かんできて、曲のタイトルにもアルバムタイトルにもぴったりだと思ったんです。曲のタイトルとしてはさりげなさをイメージして小文字で『private』、アルバムタイトルはインパクトが欲しくて大文字で『PRIVATE』にしています。

今作のコンセプトをお聞きしたいです。

iri 前作の『neon』は自分に向き合い、どうすれば自分の声の魅力がもっとたくさんの人に伝わるかを考えて、音の装飾を減らしてみたのですが、今回は肩の荷を降ろして、気楽に力を抜いて制作しました。

ジャケット写真もiriさんのナチュラルな雰囲気が素敵ですがどんなシチュエーションをイメージして撮影されたのでしょうか。

iri タイトルにあわせて“プライベートな空間”です。一人になることが多い場所ということで、ガラス張りのエレベーターの中で撮影しました。メイクやファッションもラフでナチュラルなものにしています。

iriさんの曲はどれもリズムと歌詞の語感がとても心地よいなと感じますが、作詞作曲はどのように行われていますか?

iri 最初に作曲をするか、トラックメーカーさんに作っていただいたトラックに歌詞とメロディを同時につけていきます。今まで歌詞から書いたことはないですね。作曲は普段ギターで行っているのですが、『DRAMA』は初めて鍵盤を使いました。いつも使っているガットギターはナイロン弦の丸みがある音、鍵盤はそれとはまた違った優しさがある音なので、そこからイメージする景色や出てくる言葉が変わってきました。

『STARLIGHT』はサッポロ生ビール黒ラベルStar Lyrics企画、『染』はAmazon Originalドラマ『モアザンワーズ/More Than Words』主題歌、、『friends』はメルセデスAMG SLとのタイアップソングですが、いつもの曲作りとタイアップのための曲作りに近いはありますか?

iri タイアップの場合はテーマや原作からイメージを膨らませはしますが、必ず自分が実際に体験したことを曲にするようにしています。たとえば『STARLIGHT』は「丸くなるな、星になれ。」という黒ラベルのブランドメッセージを元に書いた曲ですが、ちょうどこの曲を作り始めたころにずっとお世話になっていたスタッフさんが移動になったので、その人への想いを込めています。『friends』も仕事やプライベートがうまく行かなくて悩んでいる友だちが多く、自分も停滞していた時期に作ったので、その友達や自分を奮い立たせる曲になっています。

水曜日のカンパネラのケンモチヒデフミさんがプロデュースされている『Roll』はアップテンポで他の曲とは少し雰囲気が違いますね。

iri ケンモチさんと最初に楽曲制作をしたのは2015年ごろ、そこから何度もご一緒していますが、今まで作ったことがないジャンルにチャレンジしたいときはケンモチさんにお願いをするようにしています。『Roll』もジャージークラブという、私にとっては新しいジャンルの曲になっています。ケンモチさんに私のお気に入りの曲をいくつか聴いていただいて、それを元にトラックを作っていただきました。

『Go back』と『private』では海外のトラックメーカーさんとのコラボもされていますが、実際にコラボされてみていかがでしたか?

iri 『Go back』はサウスロンドン在住のedblさんと、『private』はロサンゼルス在住のAsoさんにトラックを作っていただきました。日本のトラックメーカーさんは私のことを知っていて、”iriといえば”な曲を作ってくださいますが、海外の方だと私のことはほぼ知らない。そんな私の情報を全く持っていない方と曲を作るのはとてもおもしろかったです。

5月17日からの初のホールツアーも楽しみです!

iri ホールだと座ってゆっくり曲を聴くイメージですが、私のライブではみんな立ってリズムにノッていますし、声出しもOKになるので一体感を感じていただけると思います。ライブハウスとはまた違った音の響きになると思うので、ホールならではのアレンジも楽しみにしていてください。

新しい曲をどんどん作って、
音楽を楽しみたい

小さい頃から音楽の道に進もうと決めていらっしゃいましたか?

iri 小学生のころスクールカウンセラーになりたかったです。それと同時に音楽が自分を支えてくれていたので、音楽を通して人を支えられる仕事ができるといいなという思いもありました。明確に音楽の道に進もうと決めたのは高校生のころです。アリシア・キーズさんに影響を受けて「もっと歌を練習しないと!」とボイストレーニングに通い始め、七尾旅人さんのライブを見て「自分で曲を作りたい!」とギターを始めました。

最後に、今後の目標を教えてください。

iri これからも海外の自分を全く知らないアーティストさんとのコラボを楽しんだり、今まで一緒に作ってきたトラックメーカーさんたちとの絆を深めたりしながら、新しい曲をどんどん作って、音楽を楽しんでいきたいです。

今月の特集
「留学体験記」

iri

私の留学はオーディショングランプリ受賞者への特典だったので、皆さんの想像するものとはすこし違いますが、2週間ニューヨークへ行きました。ジャズシンガーをしているコーディネーターさんにボイストレーニングやセッションに連れていってもらったり、ギタリストさんにギターを教わったり、ライブを見学しにいったり。初めての海外だったので緊張しましたが、自分の糧になるとても貴重な経験でした。

読者プレゼント

PSYCHIC FEVER

DISC INFO

6th album 『PRIVATE』
初回限定盤 (CD+DVD)
¥4,180(tax in)
now on sale

LIVE INFO

iri Hall Tour 2023「PRIVATE」
5/17(水) 神奈川・神奈川県民ホール
5/18(木) 宮城・トークネットホール
5/25(木) 北海道・カナモトホール
6/2(金) 福岡・福岡国際会議場メインホール
6/6(火) 岡山・倉敷市芸文館
6/8(木)・9(金) 大阪・サンケイホールブリーゼ
6/16(金) 愛知・日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
6/18(日) 東京・東京ドームシティホール

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