『溺れるナイフ』の山戸結希監督が手がける『ホットギミック ガールミーツボーイ』は、10代のヒリヒリするような不器用な恋を描いた青春恋愛映画。17歳の成田初(はつみ)と初をめぐる3人の男性…初の弱みを握る同級生・橘亮輝、初が恋焦がれる幼なじみ・小田切梓、初の兄・成田凌(しのぐ)を演じたキャストの皆さんと高校生の“17歳”トークをお届けします!
映画館に連れて行きたい!(堀)
完成した作品をご覧になっていかがでしたか?
堀 メイクもほとんどせずスッピンで出ていたので、乃木坂46として出ている時の自分とは全然違って。撮影期間の1ヶ月ほどは初ちゃんとして生活していたので、映画を観てもまるで自分じゃないような感じでした。
全然飾らない感じが、すごく良かったです。
堀 本当ですか? ありがとうございます。17歳の女の子が主役で、高校生の皆さんにとっては絶対に他人事とは思えない内容だと思うので、これを観て自分との向き合い方を知って欲しいなと思います。17歳の頃の自分にも観せてあげたいし、10代の女の子は全員強制的に映画館に連れて行きたいくらいです(笑)
17歳の女の子のもやもや感が描かれていましたが、初ちゃんに共感できる部分はありましたか?
堀 初ちゃんみたいになかなか素直になれなかったり、男の子に褒めてもらってちょっと浮かれちゃったりするのは、自分に自信がないからだと思うんですよね。そういう部分はすごくわかるなと思いました。メイクしてちょっとかわいくなれたとか、褒められて浮かれるとかはあるけど、結局自分のことが好きになれなくて、他人がよく見えたりとか。
わかります、人のことばかり輝いて見えます(笑)
堀 大人になると、それは「無いものねだり」とか「自分は自分」とポジティブに考えられるようにもなるんですが、10代の時って客観的な目線で自分を見ることができなくて、どうしても自分を責めてしまうんですよね。本当は一番に自分を大切にしないといけないのに。
男子目線の『ホットギミック ガールミーツボーイ』は、いかがですか?
清水 山戸監督も仰ってますが、これは初から見た3人の話で僕たちには女の子から見た男の子像なんて一生わからないので…すべて監督に委ねて言われたことを全力で表現しました。
女の子のことって、男の子からはわからないものですか?
清水・板垣・間宮 わからないです!
堀 でも、わからないからこそ相手のことを知りたいと思うし、恋にもなるんだろうし。わかり過ぎちゃうときっと同性の友だちみたいになっちゃうから。
必死で探した17歳はターニングポイント(清水)
17歳の頃の漠然とした不安とかって、皆さんもありましたか?
清水 僕は俳優としてやっていくと決めたのが17歳で、まさにターニングポイントでした。まだガキだったので、自分で在ることの“何か”を見つけることに必死で、周りと一緒であることがとにかく嫌だった時期でもあって。だから新しい世界は何でも刺激的で何でも吸収しようとしたし。その時に、高校を変えました。
17歳の時に、決められたんですか?
清水 そうですね。学校を変えるって、結構大きい決断じゃないですか。
はい。かなり勇気がいると思います。
清水 受験してそこそこ良い高校に通っていたので、親はそのまま卒業して欲しいと思っていたし、自分だけの意見で決められることでもなかったですし。でも後悔しないように生きて行くのも自分の責任だと思って、自分の意志で決めて。その時に、自分で決めることの大切さを学びました。きっとこの時のことは一生忘れないし、僕の中に残っていくと思います。
間宮 僕は17歳特有の、というのはなかったかなぁ。
板垣 僕も11歳でこの仕事を始めた時点で、自分で責任を持つ覚悟をしていたので、特になかったですね。ただ、今はありがたいことにずっと仕事をさせていただいているけど、明日なくなるかもしれないし、ある意味常に不安だし。
清水 僕たちは人より先に社会に出ている分、周りの同世代よりそういう自覚が目覚めるのは早かったのかもしれないですね。
堀さんはいかがですか?
堀 私もまさに16、17歳の頃、乃木坂46に入って初めてのポジションがセンターだったんです。自分では徐々に経験を積んで、周りに認めてもらってセンターができれば幸せだろうなと思っていたのですが、誰も予想しなかったタイミングで実力もないままセンターに選ばれたので、ここでどうやって頑張っていけばいいんだろうと本当に毎日悩んでいました。
何か変われるきっかけはあったんですか?
堀 それまではネガティブなタイプだったんですが、意識的に何でもポジティブに考えるようにしたんです。すると、自分の考え方次第で周りの人も変わっていくことに気が付きました。自分を肯定すると、物事も良い方に転がっていくし。あと、言霊って大切で、「自分はこれを叶えたいから頑張る」と口にしていると本当に叶ったりするので、何でも言葉にして言うようにしています。言葉も、なるべくポジティブなことしか言わないようにすると、嫌な出来事が自分に近づいてこなくなりました。
自分のキャラが変わることはある?
では、好きな男の子に流されちゃう初ちゃんのように、女の子に合わせてキャラが変わることはありますか?
清水 僕は相手によります。「毎日会いたい」と言われれば毎日会うし、「月に1回でいい」と言われれば月に1回でいいし。
意外と女の子に振り回されるタイプなんですか!?
清水 振り回されるとか束縛とかって、自分が嫌だな、とか「窮屈」と感じるからそう言うと思うんですが、僕はその感覚がないんです。例えば「他の女の子と話さないで」と言われたとしても、僕が嫌だなと感じない限り、それはただの約束事。僕は彼女が求める愛を与えたいなと思っています。
そういう考え方もあるんですね!
間宮 しっかりしてる! 僕は自分を変えるも何も、変わらないので。僕が変えるとしたら、仕事場だから少しちゃんとしている、くらいで(笑)。友だちといても、彼女といてもこの感じ。彼女だけを別に分けていないので、自分にとって大切な人のうちのひとりが彼女、というだけです。
めちゃくちゃ自然体ですね(笑)
間宮 逆に自然体じゃない人のことは信用ならないので嫌ですね。女の子がいるからって急に態度変わるヤツいるじゃないですか。いつもと違うぞ? 友だちの前でよくそんなに別のキャラ作れるな、みたいな。
堀 でもそうおっしゃりながら、ちょっと変わりそうじゃないですか? 例えば彼女が「赤の服が好き」って言ってたら、無意識に赤のトレーナーばっかり買ってたり。「え、買ってんじゃん!」って言ったら、「いや、たまたま安かったから…」みたいな。本人が気付いていないお茶目なパターン(笑)
板垣 僕は…変わらないどころか、オフになっちゃう。何しゃべっていいかわからなくなって話せなくなるし、何もしてあげられなくなっちゃいます。
堀 何それ(笑)
清水・間宮 …可愛い、瑞生(笑)
堀さん/ヘアメイク:大場聡美 (M’sup)、スタイリスト:菅野 悠
清水さん/ヘアメイク:中村兼也(Maison de Noche)、スタイリスト:八木啓紀
板垣さん/ヘアメイク:奥山信次(barrel)、スタイリスト:石橋修一
間宮さん/ヘアメイク:三宅茜、スタイリスト:津野真吾(impiger)
撮影:Yoshinori Saito
読者プレゼント
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— ch FILES関東版 (@chFILES) 2019年6月20日
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- 原作:相原実貴「ホットギミック」(小学館「ベツコミ フラワーコミックス」刊)
- 監督:山戸結希
- 出演:堀 未央奈、清水尋也、板垣瑞生/間宮祥太朗、他
- 配給:東映
©相原実貴・小学館/2019「ホットギミック」製作委員会
6.28(金)全国公開