ゴディバ ジャパン株式会社
ジェローム・シュシャン社長
コンビニやファストフードなど、さまざまな企業とのコラボで一気に高校生にも身近な存在となったゴディバ。
その裏側に込められた思いを、フランス人社長、ジェローム・シュシャンさんにお聞きしました!
どんな会社か教えてください!
1926年、ベルギーの
ショコラティエにより誕生
ゴディバは1926年にベルギーのブリュッセルで生まれました。今年で95周年。現在は100ヶ国以上で展開しています。日本では49年前、1972年に1号店ができました。ハイクオリティのカカオを使い、世界中の材料を使ったさまざまなテイストのフィリングを詰めたこだわりのチョコレートのほか、ドリンクやアイスクリーム、焼菓子なども販売しています。
コンビニやファストフードとのコラボの裏にどんな思いが?
キーワードを
「高級」から「ハピネス」へ
以前、ゴディバは「高級」がキーワードでした。でも私が社長になって、キーワードを「ハピネス」に変えました。ゴディバのチョコレートを食べると気持ちがハッピーになる、贈られると嬉しいといったハピネスってありますよね。フォーマルな時に限らず、生活の中にはハピネスのシーンはさまざまあります。バレンタインもあれば、今日は疲れたから自分へのご褒美として美味しいチョコを食べたいという時もあると思います。
そんな時に、コンビニなどで美味しいチョコレートのアイスクリームやコラボレーションの商品が食べられたらいいのではないかと考えました。ただ、どんな時も必ずゴディバのシェフが監修してクオリティを高めるようにしています。
日本だから、と
意識されていることはありますか?
日本では季節感を大切に
レシピやパッケージにも変化を
ハピネスのシーンに関しては、日本人に限らず、フランス人でもそうですし、世界中に共通すると思います。ただ、日本では、「季節感」を意識しています。日本人は桜など自然に対する意識がありますし、バレンタインといった行事を大切にする習慣もあるので、季節ごとにレシピを変えたり、パッケージを変えたりしています。
大学時代、禅寺を求めて日本に来られたとか?
大学時代、禅に興味を持ち初来日。
弓道からも多くを学んだ
‘80年代、大学時代に本を読んで日本の禅に興味を持ち、勉強し始めました。自分の感情に振り回されるのは嫌だから、精神をもっと安定させたいと思って(笑)。フランスにも座禅をするところがあって、フランスでは「禅=日本」というイメージなんです。
そして私が一番長く続けているのは弓道。ひとつのことを深く追究するタイプで、弓道で学んだことがさまざまなことにつながっています。そこから昔の伝統文化や言葉も学びましたし、仕事に対する考え方も学びました。日本のお寿司や刺身、温泉も好きですよ。
日本のバレンタイン文化をどう思われますか?
日本の友チョコ文化も
“ハピネス”のひとつだと考える
とても良い文化だと思います。フランスでは友チョコはなく、バレンタインはカップルのためだけの日なので、恋人や奥さんにチョコレートや花を渡します。日本の良いところは、バレンタインを楽しむために、大切な方への贈り物すること以外に、ご自分へのご褒美としてチョコレートを買ったり、お家でご家族と楽しんだり様々な方法があるところですね。だってチョコレート交換をしたら、みんなハッピーじゃないですか!
たくみ
もちろん恋人がいればその人にあげればいいと思いますが、まずは“I love you.”と構えず、もっと気軽に“Thank you.”=いつもありがとう、という気持ちであげるといいと思います。ちなみに去年はあげたんですか?
それはダメですね(笑)。今年はぜひ5、6人にあげてください。
ありますよ! 日本に来てすぐに結婚したので、奥さんにチョコレートをあげました。当時はゴディバには勤めていなかったので、チョコレートがたくさんあって選ぶのが大変でした。
仕事を楽しむ秘訣はありますか?
自分は何が好きか? 価値観に合った仕事を選ぶ
自分の価値観をわかった上で仕事を選ぶことが一番だと思います。チョコレートが好きだからゴディバに入ろうとか健康が好きだから健康にまつわる会社に入ろうとか。もしまだ自分の価値観がわからないなら、まずは会社に入ってみる。そうすれば自然と自分に向いているかどうかが見えてきます。その後自分のやりたいことに移っていけばいいと思います。
- ▼シュシャン社長が心掛けている3つのこと
「正射必中」の教え
弓道の教えなのですが、正しく矢を射れば、心配しなくても的には必ず当たる、という意味なんです。ビジネスの場合、的である売り上げのことばかり考えていると良い商品や良い戦略は出てきません。だから基本的なこと、正しいことをしっかりしておくことが大切だと思います。オフィスにも「正射必中」と書いた掛け軸を掛けていますよ。
新しいことへの挑戦
お客様のテイストや興味は常に変わるので、過去と同じことを繰り返さず、いかに新しいことをしていくかを考えるようにしています。
未来から考える
“Think of the future.”ー5年先、10年先の将来を考えると、今するべきことが見えてきます。過去のことにとらわれず、将来自分たちがどうなりたいか、何が作りたいか、を考えることが大切です。
シュシャン社長の朝ごはん & モーニングルーティンは?
高校生へメッセージ
高校生は将来に向けて希望がある、一番良い時期ですよね。ぜひ「自分らしく」と「やってみる」 気持ちを大切にしてください。これはやっちゃいけない、などと考えず、こんな勉強がしたいと思えばやってみればいいし、こんな国に行きたいと思えば行ってみればいい。考えすぎず行動することが大事だと思います。行動すれば経験になる、経験になると知識になる、その後知識を整理していけばいいんです。行動からいろいろ生まれてきますから!
−取材後、社長から高校生へ逆質問…!
もえ(高3) 一時期高校生って誰もがタピオカ片手に持っている時代があったんですが、ご存知ですか? あれってインスタ映えを意識していたんですよね。だからそんな風に片手に持つと映えるよというイメージをもっと打ち出せばいいと思います!
ねいる(高2) Uber Eatsとか! 今ってコロナ禍であまり外に出たくないから、友だちと少人数でパーティとかすることが多いんです。だから Uber Eatsで頼めると高校生でも買いやすいと思います。
たくみ(高2) はい! 僕からもいいですか? 高校生からすると1箱3000円台だと買いづらいですが、2個入りとかで手頃な価格にして、コンビニとか入りやすい店舗などに置いていただければ絶対に買いに行きます!
たくみ 500〜600円なら出します! 高校生でも1000円以下であれば量が少なくても買うと思います。
もえ わかる! 500円で買えるゴディバって、あげてももらっても嬉しいよね。
‘61年、フランス・パリ生まれ。HEC Paris経営大学院卒業。ラコステグループの北アジア地域ディレクター、LVMHグループ ヘネシーのビジネス開発ディレクター、リヤドロ ジャパン代表取締役社長などを経て、2010年にゴディバ ジャパン株式会社代表取締役社長に就任。日本の業績を7年間で3倍に成長させた。日本文化に造詣が深く、弓道は25年以上の経歴、五段錬士の腕前を誇る。著書に「ターゲット〜ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか?」(高橋書店)、「働くことを楽しもう。Let’s Change and Transform Together」(徳間書店)。
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