2nd Mini Album『イエロウ・イン・ザ・シティ』をリリースし、東名阪ワンマンライブツアーファイナルを7月に名古屋で迎えるEARNIE FROGs。バンドが新たな地点に立ったことを感じさせてくれる曲たちが集まった本作について、メンバーの皆さんに話をお聞きしました!
今作では前作のアルバムより、1曲1曲の“芯”がより強くなったように感じました。どの楽曲から制作を始めたのですか。
テラオ(Gt&Cho) 実は、前作のアルバム発売とツアーを終えてからスランプに陥ってしまったんです。自分の楽曲って我が子のようにかわいいはずなのに気に入らなくて、作っては捨てるの繰り返し。その中で出来上がったのがアルバム最後の曲『stand up crowd』です。光が見えたような『これだ!!』という感動は忘れられないです。僕がオケに仮タイトルをつけて、三木とおがたにメロディと歌詞をお願いしたのですが、仮タイトルから『stand up crowd』(立ち上がれ群衆)とするくらい、この楽曲が生まれた時の喜びは大きかったですね。この曲から『イエロウ・イン・ザ・シティ』は開けていきました。
おがた(Ba&Vo) オケの段階から、光のある方向へ向かっていく印象の強い楽曲だったので、その音質に引っ張られながらメロディと歌詞をつけました。
三木(Gt&Vo) おがたがつけてくれた歌詞とメロディがすごく良かったんだよね。おがたが元気のない時期だとわかっていたので、そんな彼女がこんな歌詞とメロディを作ってくれたということにとても胸を打たれました。
光を感じる『stand up crowd』があると思えば、ダークな空気も漂う『SHELTER』があるなど、今作は個性のまったく異なる作品が集まり、曲の幅がかなり広がっているような気がします。
テラオ スクランブル交差点を渡る人たちを見た時に『この人たちはみんな違う人生を歩んできたけど、なぜか今の一瞬だけ同じ場所にいるんだな』とふと考えたことが、今回のアルバムの始まりでした。みんな意図してそこにいるわけではなく、何の脈絡もなく偶然居合わせた、というのが面白いなと感じて。違う人生が混在する街のように、違う物語の曲が集まったアルバムにできたらいいなと思いました。それで僕が描きたい街の中に自分もいるんだなと思った時に、そこにいるのはみんな同じ人種だと気づいて。イエロウという肌の色を示す単語を使い “同じ人種のいる街”としてこのタイトルをつけました。
三木 先行配信をした3曲を軸に、同じ“街”の中で起こるそれぞれの物語を描いていくことで、だんだんと『イエロウ・イン・ザ・シティ』が具体的に見えていきました。同じ街に生きている人たちっていうのが、それぞれの曲になってくれたな、という感じ。『シティ』と言いつつ、結果としてはその中の『人』にフォーカスしたコンセプトアルバムらしいアルバムになったと思います。
曲順も新鮮でした。夢うつつで真夜中のパーティーを彷彿とさせるような1曲目の『シニカル』は“アルバムの始まり”といった曲ではなく、突然アルバムの世界の真ん中に放り出されたような感覚です。
三木 今までなら『Journey』のように強く軽快な楽曲を1曲目にもってくると思うのですが、もっと大人っぽく落ち着いて内に秘めたものを表現したいと考えた時に、『シニカル』の世界観がふさわしいと思いました。『シニカル』のような楽曲を1曲目に持ってくるのは日本の音楽シーンから考えても珍しいかもしれないね。
『シニカル』の大人っぽい空気感は2曲目『SHELTER』からも感じました。
三木 メロディや歌詞も最初の段階から僕がつけていた曲ですね。僕自身が少し暗くてひねくれている部分もあるので(笑)、希望を見出す楽曲ではなく、自分を守る感じの楽曲を作りたかったんです。『SHELTER』というタイトルは、誰しもが持つ守ってくれるけど篭ってしまう場所をイメージしてつけました。
テラオ 三木の中の『SHELTER』像が明確だったから、楽曲がイメージしやすかったよね。
ゆかちん(Dr&Cho) ドラムではミュートの効いたタイトな音という具体的なイメージを三木からもらったので、ハイハットのニュアンスとバックビートのスネアの音をどうするか重点的に考え作っていきました。
『usual music』はスモーキーで、擦り切れたかっこよさがあります。聴いているとだんだんとライブ会場にいるような感覚になっていきました。
テラオ まさにライブのような感覚にしたくて、この曲の作りにしました。先行配信している曲なのでライブでの演奏を重ねていったのですが、その中で生まれたギターソロを取り入れているんです。この曲がアルバムの中で1番攻撃力が強く、入れる場所を間違えてはいけないと悩んだ中でふわふわとした『myojo』から思いっきり空気を切り替えるために4曲目にもってきました。
広大な大地と空を彷彿とさせる『Journey』は、真っ直ぐに歌詞と音が心に響きます。
テラオ 僕はスケールの大きなU2というバンドの音楽が好きなのですが、もし今の自分がこのスケールを表現したらどうなるかなと思ったんです。旅が好きでよく出かけるのですが、その中でもアメリカのグランドキャニオンを見た時の思い出がいちばん強くて。その時に感じた自分の枠では測りきれない大きさをイメージした曲を作りたいと思いました。そのことをエンジニアさんが汲んでくれて、初めて色々な音の録り方にこだわりました。
ゆかちん レコーディングって密室でするのが普通なんですが、『Journey』ではスタジオの各部屋のドアを全部開けっ放しにして、それぞれにマイクをセットして録音したんです。そのことで曲の広大なイメージを作ることができました。
三木 スタジオ全体で録音しているから音が立てられなくて、トイレにも行けなかったんだよね(笑)。3人の演奏を見ているのが楽しかった。いつもは決まった音を目標に録音していくことが多いけど、今回はその場で生まれた音とグルーヴを大事にしていこうよ、というスタンスで録音していたので、曲作りをしながら、みんなでだんだん音質を高めていく感じが気持ちよかったし、歌っていても全然感じ方が違いましたね。
お話を聞いていくと、改めてまったく違った物語が集まったアルバムだなと感じます。皆さんにとって、今作はどのような存在になりましたか?
テラオ これまでは自分たちの楽曲にどこか迷いがありました。でも今作は自分の中で誇りと思えるくらい、確固たる形を作ることができた、曲を作っていく意識の上でターニングポイントになった作品ですね。
おがた “アーニーっぽくない”っていう曲が並んでいて、これまでの型に縛られず、曲を選ばなくなった点が今作で一番成長した部分だと思います。
ゆかちん やっとEARNIE FROGsが始まったなと感じる作品です。型にはまらずやりたいことを自然にやって、それでいて他の誰もやってないことができたかなと。レコーディングっていつも大変なのですが、今回は曲の終わりが見えていて、自分の中でもストーリー性を持って録ることができました。初めて譜面を書きましたし(笑)、音楽って楽しいなと素直に思えました。
7月には名古屋でツアーファイナルを迎えますね。
テラオ ワンマンでは20曲以上披露する予定です。『イエロウ・イン・ザ・シティ』を出したことで過去の楽曲の感じ方も変わると思いますし、今までになかったピアノも取り入れているので、それぞれの曲をどう表現するのか楽しみにしていてください!
個性的な皆さんですが、メンバーしか知らないような変なクセやエピーソードはありますか?
4人 全員クセだらけです(笑)。
三木 でも、4人が集まった瞬間にそれぞれのコンディションがすぐ分かるよね。おがたの機嫌が分かるのは僕らだけだと思う。
おがた 表情が変わらないから、何も考えていないだけなのか機嫌がわるいのかが分かるのはメンバーだけかも。
ゆかちん 私はものすごく飽き性で身の回りのものをすぐ新しくしたくなるんですけど、1番変えるのはスマホケースですね。年間で20個くらいは買うので、1番お金使っているのはスマホケースです(笑)。好きではないケースだと家にスマホを置いてくるくらいこだわりが強くて。今のケースは理想型に近い形をしていますが、また1週間後には変えているかもしれません(笑)。
高校時代に得意だった教科と苦手だった教科を教えてください。
三木 倫理は得意で100点を取ったこともあるよ!あと情報工学科だったので、プログラミングも得意でした。数学や英語は苦手だったかな。
おがた 商業科でしたが、簿記とかあまり好きではなくて。筆記よりも実技のパソコンなどが得意でした。音楽や美術などの副教科も成績が良かったですね。興味のない科目は意欲が全く湧かなくて(笑)。
ゆかちん 暗記系の科目は得意でしたが、数学は本当にダメでした。だから数学も式と答えを赤シートで丸暗記したこともあります。
テラオ 中学までは勉強ができると思っていて、自動車メーカーに就職して新型のエンジンを開発したかったんです。なので機械工学科に入学したのですが、そこでどの科目も点数が取れなくなってしまって。得意教科は体育。みんなでワイワイするのが好きなので頑張っていました。
高校生読者にメッセージをお願いします!
テラオ 僕はずっと隠キャだったのですが、高校3年生の時に遅ばせながら”高校デビュー”をしまして(笑)、そこで音楽に目覚めてバンドでやっていこうと決めました。他のバンドさんと比べるとスタートが非常に遅いです。でも、高校の同級生である三木をはじめ、今のバンドメンバーと一緒に音楽活動を続けてさせてもらっています。やはり高校生の時の出会いは一生モノになると思うので大事にしてほしいです。
読者プレゼント
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— chFILES東海版 (@chFILES_tokai) 2019年5月28日
名古屋を中心に活動している、テラオ(Gt&Cho)、三木正明(Gt&Vo)、おがた(Ba&Vo)、ゆかちん(Dr&Cho)の男女混声ツインボーカルロックバンド。
人が隠し持っている闇を照らし、突き刺すような歌詞は心の隙間に入り込み傷を残す。寄り添うように、沁み入るメロディはあなたと共に歩む。溢れ出す感情と、音の洪水がマッチした時に魅せるロックバンドの新しい可能性がここに。
DISC INFO
2nd Mini Album 『イエロウ・イン・ザ・シティ』¥1,800 Now on sale |
LIVE INFO
EARNIE FROGs TOUR 2019イエロウ・イン・ザ・シティ
7月7日(日)@TSUTAYA O-Crest(東京)
7月13日(土)@クラブクアトロ(名古屋)