今月の「社長に会いたい」は高校生にも“じゃがアリゴ”旋風を起こしたバズレシピのリュウジさん!

バズレシピ

北海道版・関東版・東海版・関西版・中国版・九州版
みさと(高2)・もえ(高2)

株式会社バズレシピ リュウジ社長

テスト勉強中の夜中にツイッターを覗こうものなら、そこは飯テロの嵐。
今やツイッターフォロワー数100万人を超える「料理のお兄さん」こと“バズる”レシピのリュウジさんに、お話を伺ってきました!


会社の事業内容を教えてください!

今年6月に会社を設立
主な仕事はレシピ開発

主にレシピ開発をしています。会社を立ち上げたのが今年の6月で、独立してまだ半年くらい。それまでは20歳頃から半年前まで、12年ほどは普通にサラリーマンをしていたんです。自分が独立してやっていける自信なんてなかったから。でもツイッターのフォロワーはこの半年ほどで50万人から100万人になりました。(※取材した10月25日時点のフォロワー数は101万人。その後1ヶ月でその数は8万人増え、現在110万人目前!)

リュウジさんのレシピがこんなにバズる秘訣は!?

「料理が好きでない人にも
作ってもらいたい」と思っているから

僕の料理って見てくれる年齢層が広いんです。「じゃがアリゴ」みたいにお菓子や即席ラーメンも使うし、フライパンを持ったことのない人や料理に興味がない人でもできるものも多いから。珍しい調味料とか調理器具を全部用意してください、という感じだとここまでにはならなかったと思うんですけど。世の中、本当に料理が好きな人なんて極わずかです。だって料理よりツイッターやっていたいでしょ? ゲームしてたいでしょ? 特に現代の生活のための料理を考えると、10分以内で作れるものがいい。僕自身は料理が好きだから世界の料理の起源や文化も全部勉強して知っていますが、そういう話をしたところで、「この人は勉強したから作れるんだろう」と思われて余計に料理のハードルを上げてしまうだけ。だから僕は自分のことを「料理のお兄さん」と言っています。隣にいる料理好きのお兄さんでいいんです。僕は料理をやらない人の目線でずっとやっています。

リュウジさんってどんな高校時代だったんですか?

引きこもりから世界一周旅行で
迎えたターニングポイント

実は僕、高校は行ってないんです。入学はしたんだけど、数ヶ月で辞めちゃって。昔から飲み込みは早いんだけど、暗記科目とか自分の興味のないことはできなくて。それで引きこもりになっちゃったんですが、母が体調を崩したことで料理を作るようになりました。その後、自分を変えたいなと思って、「ピースボート」で世界一周旅行をしたんです。初めて親元を離れて、4人部屋で同世代の人たちとも触れ合う中で、やっと人とのかかわり合い方もわかるようになりました。その後19歳で一人暮らしを始めて、アルバイトもできるようになって。これがひとつのターニングポイントだったかなと思います。

今のスタイルはどうやって
確立したの?

肩書きを作るために
「作ってもらう」作戦を考えた

今は料理研究家で、本が30万部売れていてツイッターのフォロワー数が100万人超という肩書きがありますけど、僕はずっとサラリーマンだったから、はじめは何の肩書きもなかったんです。僕が強みや肩書きを作るためには、実際に僕が提案したレシピを作って食べてもらって、認めてもらうしかありませんでした。だって料理好きなサラリーマンが作るイタリアンとイタリアで修業したシェフが作るイタリアンでは、みんな後者の方を食べたいでしょ? そこで、僕はツイッターを使いました。みんなに「作ったよ」という声を上げてもらうことが大切なので、できるだけ試しやすいレシピにして。考えるのがすごく好きで、仕事でもやり始めるとグーッと考えちゃうんです。作戦を練るというか。数字を見るのも好きでゲーマーだから、ツイッターのフォロワー数も、「レベル100万まで上がったな」みたいな感覚でやってます(笑)

1日のスケジュールを教えてください!

バズレシピは視聴者と同じ
日々の生活の中にある

起きてツイッターやって、お腹すいたなと思ったらレシピ研究して料理作って、材料が足りなくなったら歩いて近くのスーパーに行って、ゲームやって…という感じ(笑)。僕の場合は生活の中に料理があります。見てくれた人は、僕のレシピを使って生活をするわけだから、同じようにしたいんです。だから毎日自分が食べる料理はすべて「新作」です。僕も栄養のバランスが悪かったら、病気になったり、太ったりしちゃうでしょ。だから肉ばかりでなく、野菜料理のレシピもできます。僕が体調崩したら、「あいつ、悪魔のレシピって言ってたけど、本当に悪魔のレシピだったな」って言われちゃうからね(笑)

レシピはどうやって考えてるの?

料理は真似することが大切
そうすることで発展してきた

僕は元々あるレシピから構想を得て作るものが多いんです。悪く言えば、伝統的な料理やお店など、いろんなところからパクってます。そのまま同じに作るわけではないからパクるというと語弊があるかもしれないけど、参考にはしています。でも実は料理って、真似する文化なんです。料理には著作権がありません。先人たちがレシピを作って公開してくれたから、今の食文化があるんです。だってもし料理に著作権があれば、誰もカルボナーラを作れなくなっちゃうでしょ? 誰も肉じゃが作れないし、ビーフカレーも作れない。これを禁止してしまうと、料理って発展しなくなっちゃうんです。真似するということは料理にとって、とても大切です。だから僕はいろんなお店に食べに行くし、コンビニのメニューも食べるようにしています。

リュウジさんの一番お気に入りのレシピは?

初期レシピの
「麻婆カレー」は絶品!

「麻婆カレー」ですね。初期のレシピだから、豆板醤とか甜麺醤を使うちょっと難しいレシピなんだけど、めちゃくちゃ旨いですよ。本格的な麻婆豆腐を途中まで作って、とろみをつけるところでカレーのルーを入れるんです。これは、みんなが集まる場で寸胴鍋で作ったら、すごい評判良かった。まだ自分が料理研究家って周りにほとんど言っていなかった頃だったので、「リュウジさん、マジで料理上手い人だったんすね」って言われました(笑)

    リュウジ社長が心掛けている3つのこと

  1. まずは作ってもらうこと

    僕はみんなに料理の楽しさを知って欲しいんです。だからまずは料理好きでなくても“これなら作ってもらえるか”を第一に考えます。調理時間が短ければいいとだけ思っているわけではないので、例えばブロック肉のように1時間煮込んでもそのかけた時間や労力を超えるくらい旨いとみんなにも思ってもらえそうなレシピであれば紹介します。

  2. 反対意見が出るのは当然

    時には生卵を落とすだけとか、「もうこれ、食べ方の話でレシピじゃないよね!?」というものもあります。それを僕の言葉で出すことでちょっと作ってみたくなるというのが大切で。人それぞれ味覚も好みも違うから、そこに反対意見が出るのは当然だと思っています。僕自身、以前はテレビで料理家さんが「簡単カルボナーラです」とか言っていたら文句を言っていた側の人なので(笑)

  3. バズるように考える

    コンテンツ(レシピ)を作るのは、僕の趣味の部分。それをどう発信したら作ってもらえるかを考える部分が僕にとっての仕事だと思っています。企業さんと一緒に何かをする時にも「そんな言い回しじゃバズらない」とか「こう出した方が告知力がありますよ」とか結構言いますし、僕の仕事に関するプライドはそこですね。

新刊「ひと口で人間をダメにするウマさ! リュウジ式 悪魔のレシピ」の中から
高校生におすすめの「夜食レシピ」は?

バズレシピ

夜食であれば、表紙にもなってる「アボカドの漬け丼」かな。アボカドを1個スライスして、めんつゆとラー油と黒胡椒に10分くらい漬けておいて、ごはんの上にドカっとのせて、卵黄を落として、追いラー油をして、のりを上にのせるだけ。火を使わないから簡単だし、めっちゃ旨い。お肉は使ってないけどアボカドは栄養価が高くて美容にもいいからね。

あと、「新玉ねぎのコンビーフボム」は、玉ねぎに十字に切れ目を入れて、耐熱皿にのせて中にコンビーフ(200円くらいで買える)を詰めて、ラップして6分半ほどレンジでチン。できあがりに黒胡椒かけてポン酢で食べるんだけど、これもめちゃくちゃ美味しいよ。

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仕事に欠かせないアイテムは?

スマホ

バズレシピ

リュウジ社長

やっぱりスマホかな。書籍が出たよという案内も全部SNSを使うし、発信できないと人の心が動かせないので。調理器具は、正直何でもいいんです。高いお鍋や調理器具にこだわっても、僕の節約レシピを作ろうとしている人たちはみんな買えないでしょ? だから僕のレシピは調理器具も全部100均で揃います。包丁くらいは少し良いものを買った方がいいとは思うけど、でもこれから一人暮らしを始めようという人であれば、100均でもいいと思います。僕も結構100均の食器やグッズを使ってますよ。
リュウジRyuji
‘86年、千葉県出身。「料理のお兄さん」として知られる料理研究家。「じゃがアリゴ」などツイッターで発信する簡単に作れて美味しいレシピは毎回凄まじくバズり、フォロワー数は100万人超。これまでに出したレシピ本は累計30万部を突破し、「料理レシピ本大賞 in Japan」に2年連続入選。最新著書「リュウジ式 悪魔のレシピ」(ライツ社)が11月22日に発売されたばかり。