ビートたけしの原作小説を、主演に二宮和也、ヒロインに波瑠を迎えて映像化した映画『アナログ』が全国にて大ヒット公開中。二宮和也演じる主人公の悟と、波瑠演じる携帯を持たない謎めいた女性・みゆき。二人の恋愛を通じて、コロナ禍を経た今だからこそ実感する “会うこと” の大切さが描かれている感動作だ。
10月17日(火)にTOHO シネマズ梅田で大阪舞台挨拶が行われ、二宮和也、今井隆文、タカハタ秀太監督が登壇。和やかであたたかな舞台挨拶の模様をお届けします!
STORY
手作り模型や手描きのイラストにこだわるデザイナーの悟(二宮和也)。携帯を持たない謎めいた女性、みゆき(波瑠)。
喫茶店「ピアノ」で偶然出会い、連絡先を交換せずに「毎週木曜日に、同じ場所で会う」約束をする。
二人で積み重ねるかけがえのない時間。
悟はみゆきの素性を何も知らぬまま、プロポーズする事を決意。
しかし当日、彼女は現れなかった。その翌週も、翌月も…。
なぜみゆきは突然姿を消したのか。彼女が隠していた過去、そして秘められた想いとは。
ふたりだけの “特別な木曜日” は、再び訪れるのか――。
こんなご褒美をもらえるんですか? (今井)
映画『アナログ』同様に “大切な人に直接会う” ということで、わざわざ大阪まで来てくださいました。二宮和也さん、今井隆文さん、タカハタ秀太監督です。ようこそ大阪にお越しくださいました。
二宮 おじゃましてます。二宮です。平日のお忙しい中、劇場に足を運んでただきまして、またこの『アナログ』を選んでいただきましてありがとうございます。今日は(映画の内容を)話すことが制限されているということではありますが、よろしくお願いします。
今井 はじめまして今井隆文と申します。おじゃまいたします。(二宮さんとの)撮影は2日間で、お会いするのは今日で3日目なのですが、頑張って喋っていきたいと思います。よろしくお願いします。
タカハタ監督 ありがとうございます。タカハタでございます。平日の午前中にも関わらず、こんなにたくさんの方にお越しいただきありがとうございます。映画を観終わられた後ということなので、映画に関してのダメ出し、クレーム等ございましたらぜひ僕のところに寄せていただければと思います。よろしくお願いします。
二宮さん、大阪での舞台挨拶は10年振りと伺いました。
二宮 僕的には毎年来てるつもりですけど(笑)、結果的に10年経ったってことですよね。
今日は大阪によう来てくれはりましたね。
二宮 (関西弁が)全開ですね!(笑) すごいな全開が。これまでずっと飛行機で(大阪を)行ったり来たりしてた時期があったので、久しぶりに新幹線で新大阪に着いて懐かしいというか。新大阪駅に降りて駅も全然変わってない感じで新鮮というか、懐かしく感じながらおじゃましました。大阪ってことで “元気! 元気!” ってことで。でも、“大阪=元気” っていうも嫌ですよね(笑)
コロナ禍でなかなか人と会えませんでしたが、こうしてお会いできるというのは何よりです。
二宮 本当にありがたいです。(皆さん、劇場に)来ていただいて本当にありがとうございます。
今井さんは大阪とのご縁はいかがですか?
今井 先週まで舞台で大阪に来ていたんですが、まさか連続で来ることになるとは思わなかったです。(大阪に)ご縁をすごく感じてます!
劇中に大阪支社が登場いたします。二宮さんは大阪支社でなにわ男子の藤原丈一郎さん(島田紘也役)、宮川大輔さん(高橋俊和役)と一緒に演じられていましたね。
二宮 それこそ、“なにわ男子の宮川大輔君” は監督がどういう人かというのもわかっているし(タカハタ監督は、二宮和也、宮川大輔が出演したドラマ「赤めだか」で演出を担当)、現場がどういう風に回っていくかっていうのもわかっているのでアドリブをいっぱい入れてくれたんですけど、観ての通り全カットでございます(笑)
タカハタ監督 現場は本当にすごく盛り上がって面白くて途中までつないだことはつないだんですけどね。
二宮 基本的に1回演るとわかるんですけど、カットがかからないと感じた瞬間から僕らは能動的に動き出すので、カットがかかるまでその場をずっと演り続けるんですよ。なので、(カットがかかるまで)大輔さんも俺も丈一郎も演じてたんですけど。大阪(のシーン)ね、すごい勢いでなくなってました(笑)
宴会のシーンもありましたね。
二宮 宴会のシーンは普通に使ってますもんね。
あのシーンはアドリブですか?
タカハタ監督 いや、あそこはほぼセリフかな。
今井 監督もセリフかアドリブかわかんなくなってるんですか!?(笑)
今井さんは悟の同期の坂上役を演じられましたが、二宮さんとは初共演ですよね? 二宮さんはどんな方ですか?
今井 初めてお会いした時にすごく丁寧に挨拶してくださって、撮影に入ってからは役としての距離感がすごくて。ワッて入って来られたんでめっちゃ緊張しました。こんなに懐に入って来る人がいるんだというのに衝撃を受けて。こんなにも役としての人との距離の取り方がナチュラルにできる俳優さんをこれまで見たことないと思って。
二宮 嬉しい。
今井 それが本当に一番覚えてますね。
タカハタ監督 (二宮さんは)稀有な方ですから。
二宮 ありがとうございます。
今井 一発目のシーンでワッて来てくれたので、この人についていけば大丈夫だって思いました。(客席に向かって)すごいっすよ二宮さん! (お客さんに拍手を促すように)本当にすごいっすよ!(客席から拍手が起こる)
今井さんは二宮さんと撮影で2日間ご一緒だったんですね。
今井 そうですね。僕が(二宮さんの懐に)入れてたかどうかはちょっとわかんないですけど(笑)。(二宮さんは)入ってくれて。でも、そんなやり取りもカットされちゃったりとか。
二宮 間を大事に取ったりとか、やり取りも現場でやって。監督自体も現場終わって帰って編集してみたいな感じだったので。撮影しながら中盤ぐらいになった時に監督に「どれぐらいつなげたの?」って聞いたら、半分つないで4時間というとんでもない長さになっていたので、そりゃズバズバ切っていきますよね。
今井 切りすぎていなくなっちゃった人とかいないんですか?(笑)
タカハタ監督 ギリギリいないです(笑)。現場で面白かったところをつなぐんですけど、つないでいくうちに早く悟とみゆきのシーンを観たいと思ってズバズバ切ったのはありますね。
悟の小学校以来のお友だち役である桐谷健太さん(高木淳一役)、浜野健太さん(山下良雄役)とのシーンもすごくいいですよね。
二宮 そうですね。ハマケン(浜野健太)は初めてでしたけど、(桐谷)健太君はずっと一緒にやってたので。健太君が回していくシーンだったので、僕は本当についていくだけでした。
二宮さん、今井さんの雰囲気はどのような印象でしたか?
二宮 こんなに一緒になるんだって思ったのが、今日の衣装すごい被ったなって(笑)
今井 今日ね、すごいっすよね。たぶん素材が一緒なんです。
確かによく見たらリブ編みの色違いのような感じで、そのくらい気が合ってしまったんですね。
二宮 (今井さんは)もうめちゃくちゃ実力がある人だし、現場も数もこなしてる人なのでやっぱり安心できるというか。(今井さんが僕と)「一緒にやって自然な環境にさせてもらえた」みたいなことを言ってくれていましたけど、僕も本当にそうでした。
今井 泣きそうなんですけど。こんなご褒美もらえるんですか? 舞台挨拶は!
二宮 いやいや、本当にそう思ってますよ。
今井 ありがとうございます。
感じ取ってもらえるはず(二宮)
お客様の中には既に2回以上観ている方がたくさんいらっしゃると思います。2回以上ご覧になってらっしゃる方? (客席からたくさんの手が挙がる)すごい! ありがとうございます。これからまたご覧になる方々に向けて、ポイントのセリフやシーンがあれば教えていただきたいです。二宮さん、いかがでしょうか?
二宮 もう一度観るにあたってですか? 裏話的なことで言うと、最初にここのメンツが集まってるオフィスのシーンが撮影初日でした。
悟の上司・岩本修三役の鈴木浩介さんとかがいらっしゃるシーンですよね?
二宮 そうです。
今井 全体の撮影の日に藤原君が(撮影現場に)来てましたよね。
二宮 現場を勉強するっていうことで見学でね。
今井 しかも、ニノさんより早く(撮影現場に)入ってましたよね。
二宮 そうそう。ビビっちゃって。
今井 僕も、えっ! と思って。香盤(出演する俳優の名と配役とを出し物の各場面ごとに書いた表)を見ても藤原君の名前が入ってないから。
二宮 あのシーンが全体の最初で、みゆきさんとの最初の撮影シーンはジャーマンポテトでした。東京のど真ん中で撮影していたので、東京に遊びに来る機会があったら各地を回っていただきたいですね。
今井 映画のパンフレットを購入いただければ(ロケ地)が全部載ってるので、(ロケ地に)行けるようになってます。
タカハタ監督 ピアノ(劇中に登場するカフェ)がすごいことになってるんでしょ?
二宮 東京に遊びに来た時には、“ここはそうだったんだ” “あそこはああだったんだ” と距離感的にも楽しんでもらえると思います。
ぜひ聖地巡りで東京に行きましょう! 今井さんはポイントとなるセリフやシーンはいかがですか?
今井 僕はサバ缶ですね。あれを1回観た後にもう1回観ると、わっ! てなるんですよね。
タカハタ監督 サバ缶?
二宮 サバ缶、何で?
今井 え!? 僕だけ? (映画の内容のことを)あまり言わないでと言われてるので深いことは言えないんですけど、観終わっててもう1回サバ缶を観ると “わざわざ” ってなると思います。
二宮 ごめん。高木のサバ缶だね。
今井 2回目を観た時にグッときて、違う感動があったんですよね。
二宮 (高木は)いいやつだもんね。
タカハタ監督はいかがでしょうか?
タカハタ監督 いろいろありますが二宮和也さんが演じる悟は、シリアスなシーンの時に息を止めています。
今井 呼吸も楽しめる映画なんですね。すごいっすね。
演技メソッドのひとつかもしれないですね。
二宮 いやいや、そんな大層なことではないですよ。
今井 監督から言われたわけではなくて、無意識に演ってるってことですもんね。
タカハタ監督 息を止めるのは、シリアスなシーンで何か考えてるから? ここは引きつけようという感じですか?
二宮 それもあるのかもしれないですけど、ちゃんと観て欲しいのかもしれないですね。(頭で)考えてはなかったんですけど、演ってましたもんね。
タカハタ監督 それで僕は(そのシーンを)使いたくなるんです。
今井 じゃあアドリブ中に息を止めてたら(そのシーンを)使ってもらえるってこと?(笑)
二宮 (監督は)息を止めるのが好きな人じゃないから(笑)
では、最後に二宮和也さんからご挨拶をお願いします。
二宮 映画はまだ公開されたばかりですけど、2度、3度観ていただき本当にありがとうございます。(皆さんに)人と人とのつながりや、その間にある温かいものをいろいろ感じ取っていただけてるのだなと思っています。悟とみゆきとの関係もそうですけども、友だちの関係だったり、親との関係だったり、観ていただくいろんな人たちが共感できる部分がたくさんあると思いますので、また楽しんでいただければと思います。本日はありがとうございました。
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- 監督:タカハタ秀太
- 原作:ビートたけし『アナログ』(集英社文庫)
- 脚本:港岳彦
- 音楽:内澤崇仁
- インスパイアソング:幾田りら「With」(ソニー・ミュージックエンタテインメント)
- 出演:二宮和也 波瑠
桐谷健太 浜野謙太 / 藤原丈一郎(なにわ男子)
坂井真紀 筒井真理子 宮川大輔 佐津川愛美
鈴木浩介 板谷由夏 高橋惠子 / リリー・フランキー - 配給:東宝 アスミック・エース
©︎2023「アナログ」製作委員会 ©︎T.N GON Co., Ltd.
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