顧客満足度3年連続1位!北海道のコンビニ「セイコーマート」丸谷社長に高校生がインタビュー

コンビニエンスストア部門の顧客満足度3年連続1位! 北海道で店舗数1位のコンビニエンスストア「セイコーマート」を運営する株式会社セコマの丸谷智保社長にお話を伺いました!


どんな会社か教えてください!

農業生産法人、製造業、物流センター、総合卸売業でグループを構成し、原料から商品を作り、それを物流で店まで届けるという供給が一貫したサプライチェーンを運営しているのが特徴のひとつです。子会社には食品会社があるので、オリジナルの食品もたくさん持っています。大手チェーンは遠方まで出店をしていませんが、私たちは利尻島や奥尻島などの離島にも出店しています。それは、配送センターや物流センターが北海道中にくまなく巡らせてあるので、遠くのお店にも商品が供給できるからです。

会社の歴史について教えてください!

最初にいくつかのお店が集まり、物を安く買い、安定して商品が入ってくるように共同で仕入れをする仲間を作りました。例えば、酒屋だけど酒だけを売っていたらお客さんが段々少なくなってしまうかもしれないので他の商品も置きたいとなった時に、仕入れのルートがわからない。そういう仲間を集めて、酒以外の商品を卸すお店のグループを作ったんです。いろんな商品があるのでお店は繁盛していき、セイコーマートの加盟店もだんだん増え、10年で100店舗になり、次の10年で400店舗、40年かけて1000 店舗になりました。30年も経つと加盟店オーナーが年をとって経営が難しくなるので、私たちがお店を引き取って直営店にするようになり、今は8割が直営店で2割が昔からの加盟店です。

コンビニ顧客満足度3年連続1位
他チェーンとの違いとは?

“知覚価値”が高いこと。これは、美味しいのに安い、こんなに安いのに美味しいという意外さのことです。満足度点数というものがあって、他チェーンと比べると、我々は100点満点や90点などの高い点数をつける方が多いのですが、他チェーンは高い点数は少なく、70点くらいの方が多いんです。点数と一緒に、どうしてその店を利用するのかお客様がコメントを付けてくれるのですが、「限界集落にも地域のために出店している」「牛乳と卵が安い」「100円惣菜が美味しい」など、セイコーマートは具体的な意見が挙がっていました。一方他チェーンは満足度が満点に近くても「家から近い」とか「便利だ」というコメントがほとんどで、商品のことをよく知ってくれている圧倒的な大ファンがたくさんいること、地域密着度の高さが大きな違いだと思います。

経営のアイデアは
どのように思い付くのですか?

本を読んだり新聞の記事から発想をしたり、海外にヒントを求めて出張をしたり、お店や工場などの現場の人やお客様の話を聞く中でひらめいてきます。3年ほど前、パートやアルバイトの方がなかなか集まらず、周りは人口減少や働き手が足りないからだと言っていたのですが、本当にそうなんだろうかと考えました。調べてみると、世の中には働きたいけど自分にマッチする仕事がなくてずっと探している人がたくさんいたんです。そこで、その人の条件に合うように相談してあげればいいのではと思い、パート募集のWEBサイトを立ち上げ、そこで応募者の相談に乗って勤務日の調整などを始めました。そういうふうに、働き手のニーズに合わせて条件のマッチングをするんです。メディアでは高齢化で働き手の減少が報じられていますが、“本当かな?”と思うことが経営の発想に繋がっていきます。

高校時代の経験で
今に繋がっていることは?

剣道部の主将だったのですが少々尖っていて(笑)。顧問や部員などの周りの人に迷惑をかけてしまったことがありました。自分では悪いつもりがなかったとしても、周りに苦労をさせてしまうことをその時の経験でよくわかりました。それから周りのことをよく考えて、真面目な学生になっていきました。

    丸谷社長にお聞きした
    社長が心がけている3つのこと

  1. MMK(負けない・真似しない・気にしない)

    大手チェーンは2万店を持っていて、我々は1200店と、全国区だと大きな差がありますが、北海道シェアは我々が一番だという大手に“負けない”気概を持つこと。また、大手の真似をしていたら適うはずがないので“真似しない”。そして、独自性を持って、大手がしていることや世の中で売れているものを“気にしない”ことを心がけています。

  2. 本質を見る

    なぜだろうと考えて、物事の本質まで追求していくと答えが出てきます。本質を捉えることが非常に重要だと思っているので、5回くらい「なぜ」と唱えるんです。みんなが言っていることと違うところに答えがあることもありますからね。なぜを繰り返し、ビジネスの本質をしっかり噛み砕いて、できるだけ部下や現場に伝えるようにしています。

  3. 楽観的に考える

    悲観的な考えは誰も幸せにならないし、何も生まれません。経営者やリーダーは絶対に悲観的になってはいけない。どんなに悪い時でも前向きな思考で考えていかないと、後ろについてきている人たちも同じように暗くなってしまうからです。なので、私は常にできるだけ物事を楽観的に考えています。

仕事に欠かせないアイテムは?

ボールペン&スケジュール帳

「娘からもらった、シャープペン、黒のボールペン、赤のボールペンが使えるボールペンをいろいろと使い分けています。普段メモをする時は黒のボールペン、後で消さないといけないようなスケジュール帳に書く時はシャープペン、報告書にコメントを書く時は赤、というふうに。このタイプのペンはよくありますが、私が使っているのは金色バージョンなのでなかなかないんですよ。あとはスケジュール帳。パソコンでスケジュール管理をする人もいますが、自分で書きこんでメモをするのでこれが使いやすいです。このふたつが私の不可欠アイテムですね」
丸谷智保Tomoyasu Marutani
’54年、北海道出身。慶應義塾大学法学部卒業後、’79年に株式会社北海道拓殖銀行に入行。’988年にシティバンク、エヌ・エイに入行。’07年、株式会社セイコーマート(現株式会社セコマ)に入社し、同年専務取締役就任、’08年に取締役副社長就任を経て、’09年に代表取締役社長に就任した。
「常にお客さんのことや、どうしたらもっと良くなるかということを考えておられるからこそ、お客さんからセイコーマートの好きな理由が具体的に挙げられ、顧客満足度も3年連続1位を獲得されているんだなと感じました。多くの人がネガティブに考えてしまうようなことも、ポジティブに考えていらっしゃるのもすごい!」
北海道版・関東版・東海版・関西版・九州版
れいな(高3)
MEMO
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