ロングコートダディの堂前さん・兎さんに高校時代のお話、コンビ結成当初の練習方法、緊張との向き合い方などをお聞きしました。ハイスクールマンザイ出場を考えている高校生は必読です!
人前に立っていた
お二人は高校時代はどんな学生でしたか?
堂前 ネタではないですけど、軽音楽部のライブでギターを弾いてステージに立ったり、人前に出るみたいなのはちょくちょくしてましたね。それ以外は黙ってました。すごい明るいって感じじゃなくて程良い高校生だったと思います。でも楽しかったですね。
兎 高校の時は僕はほとんど学校に行ってなくて。意外と暗い…。
堂前 意外と? どう思われてると思ったん?
兎 学校行った時はめっちゃキャッキャ楽しんで友だちもいっぱいいたんですけど、深夜のバラエティ番組にハマっちゃって、朝が起きれなくて。「内村プロデュース」とか「リチャードホール」をめっちゃ見てました。お笑いは、たぶんその辺からですね。僕も軽音でエレキギターをやってたんで、人前にはちょいちょい出てました。
堂前 ドラムかと思ったけど?
兎 ドラムをやるって言ったんですよ。中学から仲良かった友だちが「ギター始める」って言ったんで、「じゃあ俺ドラムやるわ」って楽器屋さんに行って、あれこれいろいろ見て、いろいろあって、ドラム買いに行ったのにギター買って出てました (笑)
文化祭でライブとかされていたんですか?
兎 僕は文化祭は出たことなくて、箱 (ライブハウス) とかで。
堂前 僕は箱はなくて、文化祭でした。新入生の歓迎ライブとか。
芸人の道に進まれる時に、背中を押してくれた存在はありましたか?
兎 僕は美容師の専門学校に行ったんですけど、ハサミを盗まれて辞めまして。そこからたまにバンドでライブをやりながらバイトしてるだけみたいなダラダラした生活を続けていたんです。それを見かねた姉が、「あんた中学生の時にお笑いやってみたいって言ってたやん。やることないんやったら一回挑戦してみれば?」って、NSCの願書をプリントして持ってきてくれて。その時に僕も思い出したというか。
堂前さんはいかがですか?
堂前 僕は正直あんま覚えてないです。今が楽しいから昔の思い出があまりないんです。でも反面教師的なのはありましたね。「きかんしゃトーマス」を見てて。
兎 トーマス?
堂前 こいつみたいにならんとこってなって。
兎 どういうこと?
堂前 ずっと敷かれたレールの上しか走ってない。
あー
兎 あーじゃないよ!
深いです。
兎 深くない。そういうメッセージないねん。機関車の番組やから、仕方ないよ。いいやつやで、あいつ別に何の後悔もしてないから。
堂前 それを見てて一歩踏み出せましたね。
線路のそばの公園で練習していた
コンビを始めた頃、どんな風に練習されていたか覚えておられますか?
兎 覚えてますよ。大阪の久宝寺っていうとこにある公園で。
堂前 お互いの家の間の公園で。
兎 って言ってるんですけど、絶対に堂前寄りなんすよ。僕は自転車で40〜50分ぐらいかけて行ってましたから。お前5分、10分で行けるやろ。しかも真横が線路で、稽古してたらJRの大和路線が走るんです。電車が走ったら、僕ら声小っちゃいんで何言ってるかまったくわからんから、毎回通過するのを待ってました。
堂前 ほんまに電車触れるぐらい近かったです。
兎 懐かしいな。集まってダラダラしたり喋ったりゲームしたりしてましたね。当時は毎日一緒に遊んでたんで、その中でちょっとだけネタ合わせして。終わってそのまままた一緒に遊びに行くっていうパターンで、あまり練習って感じでもなくて。
堂前 練習してなかったね。
ハイスクールマンザイに出場する高校生にも同じような練習法をおすすめされますか?
兎 僕たちは、仕事として芸人になったので、今となってはその時間がめっちゃ大事だったなって思うんです。お互いの面白いと思うことややりたいことを遊びながら擦り合わせることができたので。でも高校生は逆にメリハリつけて、集中して漫才だけに向き合ってみるのもありやと思います。高校生は普段友だちと遊んでると思うんで。
人前に立つことで身についたことはどんなことですか?
兎 僕の場合は同じ人前に立つのでも、バンドで立つのとお笑いで立つのでは全く別の感覚なんです。バンドって基本、観に来てる人よりこっちの方が楽器ができるじゃないですか。でもお笑いって普通に日常にあって、スベったりウケなかったりすると、お客さんにこいつらおもんないなって下に見られるイメージなんですよね。そんなこと思ってないかもしれないんですけど、勝手にすごい恥ずかしいというか、悔しいんです。これが結構ストレスで。でも、その分ウケたらすごい気持ちいいというか。だから人前に立ち続けてきたことでメンタルは強くなっていると思います。
堂前 人生にちょっと自信がつくかもしれんかな。人前に立つことは、人間としていろいろ成長する部分が多いと思うんで、結果的に自信につながりそうな気がします。
緊張との向き合い方について何かアドバイスはありますか?
兎 僕はめちゃくちゃ緊張するタイプなんですけど、2020年のM-1準決勝ぐらいから緊張といい付き合い方ができるようになったんです。それまではずっと「緊張したらヤバい」って言ってたんですけど、どうしたって緊張するなら、もう楽しむしかないなと思って。例えばM-1の決勝は相当緊張するけど、それほど緊張する場所なんて他にないと思うんです。それを楽しまへんのはもったいないなと思ったら、不思議とリラックスしていい緊張ができるようになってきました。
その時は失敗することも考えないですか?
兎 やってきて段々思うのは、失敗しても全然いいんだってこと。キングオブコントとかM-1の2回戦の前とか、僕らネタ練習に飽きてきたらよく“最悪パターン”をやってたんです。ふざけながらですけど。ネタが飛びまくったり途中であり得ないことをやっちゃったパターンとか。そしたら、実際起こったとしても今年ダメだったなぐらいで、別に死にはせんなと思えてきて。
堂前 大人になってこの緊張感とかプレッシャーを味わえる職業ってあまりないですからね。普通に会社員をしていたらたぶん味わえへんことをやってると考えたら、アトラクションとして楽しめるんじゃないかという。バンジーとかと一緒で。
兎 怖い!
堂前 緊張を取り除きたいんやったら、もっと緊張することを事前に一発やるっていうのも手段かもしれないですね。お父さんの大事にしてる腕時計を一回分解して、もう一回直すとか。その緊張を本番は超えてこないから、落ち着いていることができる。
兎 もうええって!
全部が笑い。肌で感じて楽しんで
最後にハイスクールマンザイ出場を目指している高校生にアドバイスをお願いします!
兎 最初は笑いっていうものを文字とかボケとかツッコミとか、そういう風に捉えがちですけど、意外とそこにある空気とかちょっとした音とか匂いとか、全部が笑いなんです。今はネタを作ってそれをやることで精一杯だと思うけど、ちょっと余裕が出てきた時にそういう部分を肌で感じて楽しめたら、どんどん漫才もお笑いも好きになれると思います。
堂前 えーっと、ここまで来い! M-1グランプリ、第3位という。
兎 中途半端やて。
堂前 第3位というこの頂まで!(笑)
兎 頂じゃねえよ。まだ上あんねん!
堂前 来い! って感じです。
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堂前透(どうまえとおる)
1990年1月16日生まれ 福井県おおい町出身
NSC大阪校31期生
兎 (うさぎ)
1988年8月19日生まれ 岡山県岡山市出身
NSC大阪校31期生
2009年4月コンビ結成