2015年に本屋大賞を受賞するも、その圧倒的スケールの物語から映像化不可能と言われてきた「鹿の王」が、日本アニメ界最高峰のスタッフにより映画化!文化と医療、ウイルスと免疫、生態系についてなど、コロナ禍を生きる私達にも通ずるテーマを描いた、映画史上に名を刻むことになる感動巨編を、一足先にchスタッフが鑑賞してきました!
STORY
東乎瑠(ツオル)帝国との戦いに破れ、囚われの身となっていた戦士団“独角”の頭・ヴァンは山犬の襲撃を受けるも混乱に乗じて脱獄。その最中、自分と同じように家族を亡くした少女ユナと出会い、共に過ごすことで徐々に生きる目的を取り戻していく。一方、謎の病〈黒狼熱(ミッツァル)〉が東乎瑠帝国で猛威を振るいつつある中、東乎瑠の支配下にあるアカファ王国では、ウイルスを体内に宿す山犬たちを利用して水面下で反乱が計画されていた。抗体を持つことで陰謀に巻き込まれるヴァンとユナだったが、ついにはユナが山犬たちに連れ去られてしまい…。
CHARACTER
岩塩鉱での山犬の襲撃から生き残った“独角”の戦士。ユナと共に旅に出る。
山犬が襲撃した岩塩鉱の生き残りの少女。時折、不思議な言動をすることも。
黒狼熱の謎を追う、若き天才医師。病の抗体を持つと思われるヴァンを探す。
<跡追い>と呼ばれる狩人の女性。アカファ王国の命を受けてヴァンを追う。
本当に存在するかのような壮大な世界観
“医療”がテーマの物語
そんな圧倒的スケールの世界観で描かれるのは謎の病〈黒狼熱〉を巡る物語。山犬が媒介するこの病が東乎瑠帝国で猛威を振るうのですが、なぜか東乎瑠帝国の支配下にあるアカファ王国の人々は発症しない。そこでアカファ王国はこの黒狼病を利用して反乱を企て、そこに抗体を持つヴァンとユナが巻き込まれていきます。一見、現実の世界とはかけ離れたファンタジーのようですが、疫病のパンデミック、そして国家間の争いという現在私たちが直面している問題と通ずる部分がたくさんあります。そしてそんな中、ヴァンとユナだけでなく、病の治療法を探る医者・ホッサル、東乎瑠帝国に親を殺された狩人・サエなど様々な人々がそれぞれの立場で、誰かのために戦っている姿は私たちが今、どういう行動をとるべきなのかを改めて考えるきっかけを与えてくれます。
全てのシーンが美しいアニメーション
-REVIEW-
- 壮大な愛のあふれる作品で、最初から最後まで目が離せませんでした!あっという間の2時間で、もっとあの世界観を観ていたかったです。
- 色んな所に黒狼熱の治療法についての伏線が張られていたので、ホッサルと一緒に謎解きしながら観るのが楽しかったです。
- あまり話さず、感情を表に出さないヴァンがユナや村人達と生活していくうちにだんだん心を開いていき、笑顔を見せるシーンはこころが温かくなりました。
- この物語に登場する人たちはみんな辛い過去があり、それぞれの目的のために行動しています。でも、それがぶつかりあってしまうことで戦いが起こる。現実で起きている戦争も、きっと同じだと思うので、多角的な視点で物事を考えることが大切だと改めて感じさせられました。
- タイトルにもなっている“鹿の王”についてヴァンが語った話がとても印象的でした。この話をしているとき、ヴァンは何を思っていたんだろう、そもそも王ってどうあるべき存在なんだろうなど様々なことを考えさせられます。
- ホッサルの病気に対する思いはコロナウイルスと戦っている医療従事者の方々と共通しているのではないかなと思います。映画を観たあとは、明日も頑張ろうという気持ちになりました。
- 声の出演:堤 真一 竹内涼真 杏
木村日翠 阿部 敦 安原義人 櫻井トオル
藤 真秀 中 博史 玄田哲章 西村知道 - 原作:上橋菜穂子『鹿の王』(角川文庫・角川つばさ文庫/KADOKAWA刊)
- 監督:安藤雅司 宮地昌幸
- 脚本:岸本 卓
©2021「鹿の王」製作委員会
2月4日(金)全国東宝系にてロードショー