「自分への期待と人への期待を半分ずつ持って」The Songbardsが悩める高校生にアドバイス

結成わずか2年でメジャーデビュー、今年3月には全国6か所でのワンマンツアーを完走したThe Songbardsが4th Mini Album『AUGURIES』をリリース。今作に込められた想いや今月のテーマについて語っていただきました!

歌詞も曲もタイトルも
それぞれに想いが込められたMini Album『AUGURIES』

今作は三部作の第二章とのことですが、タイトルが“前兆”や“兆し”という意味の言葉なのが気になりました。

上野 第一章の『SOLITUDE』は孤独という意味のタイトルの通り、規模の小さい人間関係をテーマにした曲を収録しています。それに対して、『AUGURIES』ではもっと規模の大きな人間関係をテーマにしています。でも、規模が変わっても大切なことはそんなに変わらないと思っていて。大きな世界にも小さな世界にもお互いに通じる原理があるという内容のウィリアム・ブレイクの詩から引用したタイトルです。

1 曲目の『ビー・ヒア・ナウ』はどんなことをイメージして書かれたのでしょうか。

松原 「ビー・ヒア・ナウ」という、皓平が貸してくれた本からインスピレーションを得て作った曲です。世界中のアーティストに影響を与えている本ですが、内容が少しいかがわしいので、高校生のうちは読まない方がいいかもしれません(笑)

『Engineered Karma』はデジタルな現代社会についての想いが込められているのかなと思いました。

上野 機械や人工知能が現代においてどのような役割を持っているのかを曲にしたらおもしろいかなと思って作った曲です。
岩田 サビ以外の部分はあえて意味のない歌詞にしているそうで、それがすごく新鮮でした。

『Monkey Mind Game』はサルの鳴き声や電車の様な音が入っているのが印象的でした。こういったアレンジはどのように考えられているのでしょうか?

上野 まずは自分たちが表現したいことが聴いている人に最大限に伝わるように音を選んでいます。この曲は瞑想の本を読んでいるときに、雑念が浮かんでしまう状態を表す“モンキーマインド”という言葉が出てきて、単語としてすごくおもしろいなと思ったので、実際にサルの鳴き声を入れました。
松原 瞑想中の気が散る感じを表現するため、その上にカエルの鳴き声なども追加していきました。

『ブルー・ドット』というタイトルはボイジャー1号が撮影した“ペイル・ブルー・ドット”から取られたのでしょうか?

松原 そうです。最初は別のタイトルが付いていたのですが、レコーディングの最中にもっといいタイトルはないかなと調べて、このタイトルになりました。

『夕景』で一番気に入っているポイントはどこですか?

柴田 この曲のベースは1回目のサビと2回目のサビではフレーズが違っていたり、後半に向けて音の数が増えていったりと曲全体を通して同じフレーズがあまり使われていないところが気に入っています。

SNS でショートビデオ企画をされていましたが、できあがったビデオを観た感想はいかがですか?

上野 最初は同じ時間に別の場所で夕方の景色を撮影しようという企画は、ロマンチックすぎるかなとみんなで話してました(笑)。でも、送られてきた動画を観ると全くそんなふうには感じなくて、みんなの心が一つになったようで、やってよかったなと思いました。

ジャケットのデザインは岩田さんが担当されているとお聞きしました。

岩田 全体のアートディレクションをしてくださっている方と一緒に製作しました。メンバーの写真や建物などの素材を印刷して並べたものをライティングして撮影しています。歌詞カードは開くと繋がった1枚の写真が見えてくるような仕様になっているんですよ。

アーティスト写真についても気になるのですが、正面ではなく、横を向いている理由はなんですか?

松原 先に4分割することを決めたんですが、4分割したなかで全員が正面を向いていたらキャラクター紹介みたいじゃないですか(笑)。だから横を向いています。背景が黄色だったので、服はトーンを抑えたものにして、差し色として植物を持つことにしました。ちなみに僕は撮影のあと、この植物を家に持って帰って飾っていました。

憧れはThe BeatlesやQUEEN
メンバー4人にとっての“音楽”とは?

みなさんが音楽を始められたのはいつ頃ですか?またきっかけはなんだったのでしょうか?

松原 高校のころに、友達にギターを借りたことがきっかけです。でも受験もあったので、本格的に弾くようになったのは大学生になってからですね。
上野 ずっと音楽が好きで、中学のころにお年玉でアコースティックギターを買って弾き語りをするようになりました。
岩田 音楽好きの姉がいて、その影響で中学のころに吹奏楽部に入りました。そのときのパートはパーカッションで、ドラムを始めたのは高校1年生からです。
柴田 僕も初めて楽器に触れたのは高校のときでした。友だちと一緒に文化祭に出ることになって始めました。

音楽活動の方法は様々な形があるなかで、今のように4人全員がボーカルやコーラスとして歌うバンドという形式を選ばれたのはなぜですか?

上野 全員の力が最大限発揮されていて、誰を観ても楽しめるというのがグループとして集まっているメリットだと思うからです。メンバー全員が歌っていて、それぞれに代表曲があるThe BeatlesやQUEENへの憧れもあります。

みなさんにとって音楽とはどんな存在ですか?

岩田 直接的ではなくとも、なにかに気づいたり方向転換したりするきっかけになる存在ですね。振り返ってみると音楽があってよかったなと思います。
松原 食べ物のようになくては生きていけないわけではないですが、心を豊かにしてくれるものですね。
柴田 音楽を聴くことで、自分のなりたい気持ちになることができるので、生活の一部を彩ってくれるものです。
上野 人間として生活するうえで、より人間らしくなれるものだと思います。ライブに僕たちの曲を聴きに来てくれる人がいて、そんな人たちと繋がるきっかけにもなっているので、いろんな役割を持っているんだと思います。

曲作りはどのようにされているのでしょうか。

上野 まずは曲のアイデアを僕か有志が持ってきて、そこに歌詞をつけていきます。この時点でほぼ歌詞ができていることもありますし、1行ずつ話し合いながら作っていくこともあります。

8 月にはライブツアーが始まります。ライブでこだわっていることはなんですか?

松原 せっかくライブに来てくれた人には経験も込みで持って帰ってもらえると嬉しいなと思っているので、曲の間にアレンジを入れてみたり、歌のパートを入れ替えたりをして楽しんでもらえるように意識しています。

メンバー4人はどうやって進路を決めた?
悩める高校生に向けてアドバイス

みなさんにとって、“ここが自分の居場所”だといえる場所はどこですか?

岩田 自分の家です。とくにお風呂は落ち着きますね。
松原 僕は音楽を作る作業場です。
上野 地元のスーパー銭湯にあるミストサウナに入ると自分の居場所だなと感じます。
柴田 家のソファですね。ベッドにいると二度寝してしまって一日を無駄にしてしまうので、起きるとすぐにソファに座るようにしています(笑)。

将来の居場所について、悩んでいる高校生もたくさんいると思います。みなさんは進路を選ぶとき、どんなことを意識されましたか?

松原 夢や目標がある人はそれに向かって進むのが一番だと思います。でも僕は自分が何をしたいのかがわからなかったので、猶予期間がほしくて進学しました。
上野 僕はしたいことをしてきただけですが、全力でそれに取り組んでいれば、どんな結果になっても、その選択を後悔することはないと思います。
柴田 進路を選ぶとき、したいことがなかったからこそ、夢が見つかったときの可能性を広げるために、勉強をすごくがんばりました。
岩田 あまり真面目に将来を考えてはいなかったのですが、高校のときに出演していたライブハウスのスタッフさんの紹介で今のメンバーと出会うことができたので、その場所でどんな人と出会えるかを大切にするのもいいんじゃないかな。

最後に、自分の居場所や将来について悩んでいる高校生にアドバイスをお願いします。

松原 自分が何をするかで将来が変わると思っている人も多いと思いますが、自分の力だけではどうにもならなくて、人の助けを借りて達成できることもあります。だから、自分への期待と人への期待を半分ずつ持って生活してもらえるといいんじゃないでしょうか。

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The Songbards

DISC INFO

4th Mini Album『AUGURIES』
完全限定生産盤【CD+DVD】¥2,300 (tax out)
通常盤【CD】 ¥1,500(tax out)
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