「PRODUCE 101 JAPAN」にドラマのチェインストーリー…高校生の必須アプリ「GYAO!」 GYAOの社長を取材

田中祐介

北海道版・関東版・東海版・関西版・中国版・九州版
あやな(高3)・ちほ(高3)・なほこ(高1)

株式会社GYAO 田中祐介社長

「PRODUCE 101 JAPAN」や「M-1グランプリ2019 世界最速大反省会 ~忖度なし! 漫才達人が全組語り尽くすSP~」、人気ドラマの“チェインストーリー”など話題の無料動画配信サービス「GYAO!」を運営するGYAOの田中社長に迫ります!


どんな会社なんですか?
会社の事業内容を教えてください!

親会社ヤフーと共に
「GYAO!」を運営

「GYAO!」という無料動画配信サービスをヤフーと共同運営しています。

GYAOはインターネットの会社ですが、民放のキー5局が株主に入っています。ドラマの“チェインストーリー”を配信したり、昨今では「M-1グランプリ」のテレビ番組放送終了後すぐに「大反省会」を生配信しました。最近では、「PRODUCE 101 JAPAN」も沢山の方々にご覧いただけたコンテンツでした。また、「なにわからAぇ!風吹かせます!~なにわイケメン学園×Aぇ!男塾~」のような関西地区だけでテレビ放送されている番組の配信も人気です。

田中さんがGYAOの社長になって
変わったことはありますか?

パソコン時代の枠から抜け出し
一気にスマホアプリに特化

私がGYAOの代表取締役社長になったのは1年半ほど前ですが、「GYAO!」はもう12年ほど続いているんです。インターネットの無料動画配信サービスで言うと老舗の会社です。ただ、老舗ゆえに、パソコンサイトのイメージがあったので、私が社長に就任した時、「とにかくスマホアプリに集中的にフォーカスをあてよう」と決めました。

スマホアプリの方が圧倒的に視聴者の滞在時間が長いんです。そこで今、話題になっているもの、時流のコンテンツはスマホアプリだけで配信する取り組みも行っています。例えば映画『カメラを止めるな!』は、とても早いタイミングで、SoftBankユーザーのみ、24時間限定で配信したり。これも結構SNSなどで話題になりましたね。

会社のユニークな部分を
教えてください!

会社はフリーアドレス制
自由な雰囲気で働けるオフィス

会社としてのおもしろさは、特定の席が決まっていないフリーアドレスという制度を取っているので、社員全員がヤフーのフロアもGYAOのフロアもオフィスを自由に行き来できてオープンな雰囲気になっていること。あとはインターネットの会社でありながら、テレビ放送・ラジオ番組・音楽イベントなどと連動したインターネットの仕事ができることですね。ちなみに私にはガラス張りの社長室があるんですが、ミーティングが長いとみんなお腹が空いちゃうので、みんなが食べられるお菓子もたくさん置いています(笑)

▲オフィスの雰囲気は、
GYAO!のオリジナル番組「木村さ~~ん!」
#28「木村拓哉、ヤフーを訪問!」
でも覗くことができます!
(15:22~GYAOオフィス。17:16~田中社長も登場!)

社長はどんな高校生でしたか?

“未来予測”が好きな
変わり者の高校生!?

変わり者でしたね(笑)。変わっているから放っておけない、という感じで周りのみんなから可愛がられていた感じかな。当時は、頑張っている自分を人に見られたくないと思っていた一面もありました。ただ、世の中のことはできるだけ知りかったので、「未来予測本」を読んだり、いろんな図鑑や辞典を丸暗記したり。いじられキャラ…これは今も変わりませんね。

GYAO

高校時代から今まで、
どうやって道を切り開いてきたの?

大学時代に起業
常に未来の世界・社会を考えてきた

私は高校生の頃から、“未来がどうなるか”にとても興味があったんです。10年後、20年後、30年後、50年後…未来がどう変わっていくのか。その時にどういう状態だったら幸せな世界・社会があるのかという未来予測するのが好きで、絶えず考えてきました。大学1年生の頃、インターネットというものに出会って、インターネットがある時代とない時代では大きく変わる未来に、人より早く気付きました。

今でこそ個人がブログやSNSサイトなどで自分が撮ったコンテンツを簡単に世界中に発信できるようになりましたが、当時はまだ日本中を探してもインターネットを使っている人は数万人くらいしかいない黎明期。そこで大学生の時に起業して、そのまま無我夢中でやってきました。特に携帯電話でインターネットができるようにするという先駆けのところに力を入れてきました。

今から15年以上前に中国でも起業しているんですが、中国は今や日本を抜いて世界で2番目の経済大国。キャッシュレス化も進んでいます。これも人口と経済成長率からその未来を読んで、先駆けて中国に行こうと思ったからです。人口が多い国は経済が豊かになるポテンシャルがあります。2050年には、ナイジェリアが中国・インドに続くと言われていますが、絶えず未来がどうなるか、未来に対して社会が求めていること、それに対して自分は何ができるかを少し早めに考えて着手してきたんだと思います。

    田中社長が心掛けている3つのこと

  1. 頑張る!

    とにかく、頑張る。どんな難しいボールが目の前に来たとしても、一生懸命頑張ること!ちなみに私が「一緒に働きたい」と思う人は、自分で考えて自分で課題解決できる「独習能力」がある人。そして「前向きで明るい素直な人」です。

  2. 誠実であること

    もちろんどんなことにでもチャレンジはしますが、できっこないのに無理して「できる」と言うよりは、“嘘をつかないこと”を大事にしています。これは自分自身に対してもそうです。

  3. 理屈が合っていること

    理屈が通っていないことに頑張っても課題は解決しません。ですから、きちんと統計や数値からまず理屈を考えて、行動します。

GYAO!おすすめ番組を教えてください!

ドラマの“チェインストーリー”なら現在放送中の清野菜名さん・横浜流星さんW主演のドラマ「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」(日テレ系)でしょうか。オリジナル番組なら、木村拓哉さんの「木村さ~~ん!」や木梨憲武さんの「木梨の貝。」は、テレビでは見られないおふたりの肩の力の抜けた自然体の姿を楽しんでいただけると思います。「木村さ~~ん!」では、1月にアルバムを発売された木村さんの音楽プロジェクトと連動した展開も楽しんでいただけます。

仕事に欠かせないアイテムは?

スマホ

GYAO

田中社長

仕事で映像・動画を見るのはもちろんですが、プライベートでもかなりスマホを活用しています。例えば自宅の電球を全部オンラインでつなぎ、スマホで操作ができるようにしたり、部屋のエアコンも遠隔操作で帰る少し前につけて暖かい部屋に帰れるようにしたり。これも実用化はされているけど、まだ普及には至っていない未来。でも何千円かの器具さえあれば試すことができるんです。そういったことを自分で体験しておくことは仕事の上でも大事にしています。(「ちなみに携帯は何台持ちなんですか?」の問いに)会社用、私物用のiPhone、会社用のAndroid、中国用の携帯…5台持ちです(笑)
田中祐介Yusuke Tanaka
ヤフー株式会社 執行役員
メディアカンパニー 映像サービス統括本部長
株式会社GYAO 代表取締役社長

‘75年、東京都出身。’97年、慶應義塾大学総合政策学部卒業。’99年、同大学院政策メディア研究科修士課程修了。’96年、大学在学中に有限会社電脳隊を立ち上げ、モバイル・インターネット分野の先駆けベンチャーとして会社を成長させた。’03年、中国にてFractalist China inc.を設立。’12年、ヤフー株式会社に入社。その後執行役員に。’18年、株式会社GYAOの代表取締役社長に就任。