映画公開でも大注目の「0キス」こと『午前0時、キスしに来てよ』。
みきもと凜先生の原作にメロメロにやられたchスタッフたちが、
漫画ができるまでの裏側を知りたい! と
『午前0時、キスしに来てよ』の講談社・別冊フレンドさん編集部へお邪魔して来ました!
連載に携わってこられた別冊フレンドの編集長と編集担当さんをキャッチ!
そして編集者と二人三脚の制作裏側
編集者さんは、作者さんとどのように作品を作っているんですか?
森田 いろんなスタイルがあるとは思うんですが、僕はテニスで例えれば壁打ちの「壁」だと思っています。作者さんがたくさんアイデアを出してきてくれた時に、いい感じでリアクションしてあげる役。おもしろい時は「めっちゃおもしろい!」と伝えるし、そうでもないなという時はそれを伝えるんです。たまに自分のアイデアや意見を出しながら、キャッチボールをするうちに作家さんが良い球を出せるようにしてあげる役割だと思います。
『0キス』誕生のエピソードを教えてください!
森田 僕は編集長になる前からずっとみきもと凜さんを担当していたんですが、前作の『近キョリ恋愛』が映画化された時に、もともと映画がお好きだったみきもとさんが俳優さんや制作スタッフへの敬意の気持ちを強められていて。『近キョリ恋愛』が公開された初日に当時の編集長と僕とみきもとさんでお祝いのお昼ごはんを食べたのですが、その後すぐに編集部に戻って打ち合わせをした際、「この映画化の経験がいつか漫画にできたらいいなぁ」という話をしたのを覚えています。
楓と日奈々に具体的なモデルはいるんですか?
中村 主人公の楓にモデルはいる、とはみきもとさんもおっしゃっているんですが、いろんな方々を混ぜたイメージで作られていると思います。日奈々に具体的なモデルはいないですが、しいて言えば、芸能人を好きな皆さんがモデルになっています。
女子が悶絶するような胸キュンを次々と生み出す秘訣は何だと思われますか?
森田 みきもとさんは本当に映画がお好きで、学生の頃からたくさんの作品をご覧になっているので、頭の中に、素敵な物語やキャラクターのエッセンスがたくさんストックされているんです。引き出しが多くて、それを自分なりの形で作品に反映されているように思います。
『0キス』で編集さんがキュンとされたシーンはありますか?
中村 全部「すごい」と思っているんですが、芸能人と一般の女子高生が恋をするという、本来ありえない話なのに、それを「あり得るかも」と思わせるくらい丁寧に描かれているんですよね。私が一番感動したのは、1話目で日奈々の高校で楓が撮影をしていて、日奈々がエキストラとして参加してふたりは出会うんですが、2話目で再会した時に、楓から日奈々に声をかけるんです。特に東京に住んでいるとたまたま芸能人と遭遇することはあっても、こちらから声をかけるのは躊躇するじゃないですか。それが「また会ったね」なんて向こうから声をかけてくれるなんてファンとしてはめちゃくちゃ嬉しいことですよね。夢のような話。「これは画期的な発明だ!」と思いました(笑)
©みきもと凜/講談社
森田 僕も男だけどいつもキュンキュンしながら読んでいますよ(笑)。僕は1話目でふたりが映画館で並んで座って、楓が映画を真剣な表情で観ているシーンにグッときました。
編集さんが出されたアイデアで使われた胸キュンシーンはありますか?
森田 無い!(笑) 毎回頑張って考えてアイデア出すんだけど、「森田さんは、これだから…」と笑われていました。良い踏み台にはなっていたと思っているんですけど(笑)
中村 私もドラマCDの付録で、「楓のラジオ番組をやりましょう」と言ったのが実現したくらいです。打ち合わせでは本当にたくさんアイデアを出し合うんですが、やっぱりみきもとさんが出すアイデアが一番おもしろいんです!(笑)
©みきもと凜/講談社
『0キス』制作の中で、一番感動した思い出は?
森田 1話目って、ゼロから作るから本当に大変なんです。何度も何度も打ち合わせして。当時の編集長から「絶対ヒットさせろよ」と毎日言われていたから、生半可なものは提出できないし(笑)。でもさっき言った映画館のシーンができた瞬間、「いける!」と思って自信を持ってネームを提出した思い出があります。
中村 特に最近は過去の話も出てきて、私はネームをもらうたびにうるっとくることが多いです。
編集者さんを続けていて、「ピンチだった!」という経験はありますか?
森田 最初に打ち合わせをして、「おもしろいのでその方向でいきましょう!」ということになって、作者さんにネームを描いてきてもらった後に「つまらない」となった時は、自分の判断が間違っていたことに申し訳ない気持ちでいっぱいになります。締切も迫っている中で大切な時間を奪ってしまったわけだから、汗びっしょりになりますね。
中村 私も作家さんと話した上で「これで新連載をやりたい」と編集長に企画書を提出した時に「おもしろくない! ボツ!」と言われた時は、本当に焦ります。それを作家さんに伝える時はドキドキしますね。
『0キス』映画化が決まった時の気持ちを教えてください!
森田 すごく嬉しかったですね。映画になると普段漫画を読まない人にも作品を知ってもらう機会になりますし、日頃は漫画家さんと編集者だけで進めているので、結構孤独な作業なんですが、映画になると片寄涼太さんや橋本環奈さんといったキャストさんや映画制作にかかわる方々が「どうやったらこの原作の魅力をより伝えられるか」を真剣に考えてくだるんですよね。撮影現場に行くと、「日奈々入りまーす」って声が飛び交っていたり、100人くらいの人が「日奈々」とか「楓」って名前を当たり前のように言ってくれていて。それがいつも泣きそうになるくらい嬉しいんです。
中村 本当にそうです。ちなみに私は試写で観て、3回泣きました(笑)
- 原作:みきもと凜「午前0時、キスしに来てよ」(講談社「別冊フレンド」連載)
- 監督:新城毅彦
- 出演:片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、橋本環奈、眞栄田郷敦、
八木アリサ、岡崎紗絵、鈴木勝大、酒井若菜、遠藤憲一、他 - 配給:松竹
©2019映画『午前0時、キスしに来てよ』製作委員会
12.6(金)全国公開
『午前0時、キスしに来てよ』で綾瀬楓と花澤日奈々を演じた
片寄涼太さんと橋本環奈さんのインタビューも
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